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ゴッホ展 スピリチュアルエマージェンシーの画家

■2019/12/05 ゴッホ展 スピリチュアルエマージェンシーの画家

ゴッホの創作活動は28歳からのわずか10年ですが、800点以上の作品を描いています。

初期のハーグ派の影響から印象派を経て、晩年の独自の刻むような画風…

雨が多く不安定な気候のオランダから光あふれるフランスのアルルという風土の変化もあったのでしょう。

暗い色調から光の世界へと彼の絵は劇的に変化していきます。

耳切り事件の後、サン・レミの療養院では、糸杉の連作。

ひまわりに比べると地味な色彩にみえますが、ゴッホにとっての糸杉は、「エジプトのオベリスクのように美しい」という。

炎が燃え上がるような筆致。

エネルギッシュではあるが同時に不安を感じさせる…

37歳でこの世を去るまで、てんかん発作や統合失調の幻覚幻聴症状に悩まされていたといいます。

しかしながら、本当の統合失調ならば、症状が進むにつれて、自我が薄れ、感情が平板化していくもの…

しかし、彼は人一倍個性的になっていく…

トランスパーソナル心理学でいうスピリチュアルエマージェンシー(魂の危機)の状態ではなかったのか ?

スピリチュアルエマージェンシーとは、この地上の価値観を離れ、より高次な世界に入ろうとしている過渡期の人間が経験するという不安定な精神状態を指す言葉で、表面的には統合失調と同じような症状を呈する。

旧約聖書のエゼキエルなどもこの範疇かも

ゴッホの父親も祖父も牧師、彼者また牧師を目指したが…

このあたりの境遇はユングに似ている。

彼は魂の救いを希求していた…

そして、人に理解されない孤独と狂気に苦しんだ…

その負のバイブレーションが刻まれたうねるような画筆が、観る人の心にある存在不安のようなものと共鳴する感じかします。






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