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グリコ・森永事件の真相に迫った「罪の声」

■2020/11/12 グリコ・森永事件の真相に迫った「罪の声」
1984年に発生した劇場型犯罪。

江崎グリコの社長を誘拐し、複数の食品会社を脅迫したグリコ・森永事件はすでに時効を迎えた迷宮入りの未解決事件。

その事件の真相を綿密に推理した小説「罪の声」が映画化。

フィクションではあるが、おおよそのところの真実はこの作品に近いものなのかもしれない…

この作品はとてもリアルである。

星野源の普通のままの雰囲気、小栗旬の存在感が光る作品。

犯人側からの身代金の要求の電話にはテープに録音した子供の声が使われた。

京都で妻子とともにテーラーを営み幸せに暮らしていた主人公(星野源)が、そのテープの録音した声が少年時代の自分の声であることに気が付き驚愕する。

そして、物語のもう一人の主人公ジャーナリスト(小栗旬)の協力で犯人グループの実体が次第に明るみにされる。

目的は身代金ではなく、株価を下落させて空売りをして一攫千金を狙ったもの。

70年前後の学生運動の挫折とトラウマ、高度成長経済の社会のひずみが事件の背景にあり、ストーリーの展開はイギリスの古都ヨークにまで及ぶ。

新聞やテレビで報道されるのは、表面的部分だけ。

グリコ・森永事件では人が殺されるようなことはなかったが…

しかし、この映画で描かれているように、影の部分ではさまざまな人間模様が絡み合い、家族が犠牲になり、闇に葬られた人物がいたのかも…

事件は時効になっても、事件による隠されたトラウマは受け継がれている…

事件から35年ほど経ち、子の世代、孫の世代になった…

過去のトラウマに気が付いた人は、自らが防波堤となり、次世代に荒波が及ぶのを防ぎ、守らなければ…というのがこの映画のメッセージの一つだろうか。

  

 
 
 
 


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