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「タゴールソング」 インド亜大陸の霊性
- ■2021/01/15 「タゴールソング」 インド亜大陸の霊性
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映画「タゴールソング」は若干26歳佐々木美佳監督のデビュー作。
ラビンドラナート・タゴールは非ヨーロッパ語圏で初めてノーベル賞を受賞したインドの詩聖です。
詩とは元々、旋律をつけて歌うもので、タゴールは作曲家でもあり、2000以上ともいわれる彼の作品は、タゴールソングとして親しまれています。
佐々木監督がバングラデシュに行き、首都ダッカで人々にタゴールソングを歌ってほしいと声をかけると「もちろんさ!!!」ということで高らかに歌ってくれたとのこと。
「タゴールソング」は、タゴールソングを愛するインド亜大陸の気さくな民衆にフォーカスした作品。
インドの国歌、バングラデシュの国歌もタゴールソング。
タゴールソングはロック調になったり、ラップの創作源になったりもして浸透しているようです。
1916年ノーベル賞を受賞したタゴールが来日し、日本でも一時期タゴールブームがあったようですが、西洋文明化を推し進めていた時代の中で、文明批判的ということでタゴールのブームはすぐに鎮静化してしまったらしい。
映画の中で「もし君の呼び声に誰も答えなくとも 一人で進め」という旋律が何度も流れる…
原始仏教の「サイの角のようにただ一人歩め」という有名なフレーズを思い起こす…
コルカタからベンガル、今のバングラデシュに移り住み、バウルと呼ばれる吟遊詩人たちの旋律に触れることで彼の創作活動は開花したらしい。
うまく表現できないが、タゴールソングからはインド亜大陸の霊性というものが漂ってくる。
日本には日本的霊性というもがあり、主に仏教が一般民衆に広まった鎌倉時代に花開いたと鈴木大拙は著者「日本的霊性」に中で書いています。
その土地々々の風土の影響から霊性の現れはそれぞれ特徴をもつということなのでしょうが、根源的には霊性とは唯一ものということになるのではないでしょうか。
コロナ禍によって世界の分断が深まりつつある昨今だが…
タゴールの「一人で進め」というフレーズは単なる個人主義の言葉ではなく、温かみがあるもの。
天才タゴールの歌詞は、分かりづらいフレーズも多いのですが、その旋律全体からはすべては一つというメッセージが伝わってきます。
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