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兵馬俑の圧倒的な迫力、しかし、そこに「美」はあるのか…

■2023/01/26 兵馬俑の圧倒的な迫力、しかし、そこに「美」はあるのか…

兵馬俑は、秦の始皇帝がみずからの死後(BC210年に死去)の生活のために造り上げた壮大な陵墓の中の不動の軍団。

傭(よう)とは、人物や馬あるいは家具をかたどった陶器のこと。


日本では三世紀後半以降に素朴な形の”はにわ”が造られるようになったわけですが、

その500年も前にこれだけ完成度の高いフォルムをもった姿の傭が造られたのは驚き!!!

どうしてこれだけのものができたのか…


始皇帝の少し前の時代にはマケドニアのアレキサンダー大王が西北インドまで進出~~~

その頃にギリシア彫刻の文化が中国にまで伝わっていたのかも…

また、秦とは、大秦国(ローマ帝国)に由来し、始皇帝は騎馬を使った高い戦術と土木技術をもったユダヤ人の血を引いていたという説も…


砂塵を防ぐために髪の毛を束ね髷を結って、さらに着帽している一般兵士。

髭を蓄え、厳めしい上官。

鎧を着用せず大局を見極めて、指揮をとる将軍。

元々は彩色が施され、もっとリアルなものだった…

この馬車もまた見事なもの。


ただ、何か…

「美」というものは感じない…

美術品というよりも工芸品のような…

兵馬俑について、東北大学名誉教授の田中英道先生はいう。

”いつ死ぬか分からないという戦場の中で、兵士たちは極度の緊張にさらされていて、内面的な個性が表現されていない…”

「美」とは、愛や調和によって生まれるもの…

始皇帝以降、中国は常に一人の独裁者が広大な国土を支配してきた全体主義の国家。

そして、それは今も同じではないだろうか…

兵馬俑と圧倒的な軍隊と中国共産党がだぶってしまう…


第二次大戦後、我々は大国アメリカの文化を受け入れてきた…

ハリウッド映画、ジャズ、ロック、ハンバーガー、ジーパン…

しかし、今もう一つの大国となった中国には、 どんな文化があるのか…

かつては…

中国といえば、漢字の文化…

孔子や老荘思想~~~

そして、大乗仏教…

奈良時代、不屈の精神で仏教を日本に伝えた高僧鑑真、

平安時代、空海に真言密教を伝えた恵果阿闍梨、

さらに江戸時代には中国の食文化や印刷技術をもたらした隠元禅師…


歴史的に日本は大陸の思想文化の恩恵を受けてきたが…

これからの中国に新たな文化は生まれるのだろうか。




 
 



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