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『Mommy』を観て想ったこと ユング心理学的視点から  

■2024/08/29 『Mommy』を観て想ったこと ユング心理学的視点から  
1998年7月和歌山市園部の夏祭りで起きた毒入りカレー事件

67人が急性ヒ素中毒を起こし、4人が死亡

マスコミは、近隣に住み、カレーの用意に関わっていた眞須美に疑惑が向く。

夫は白アリ駆除の仕事でヒ素を使用

以前から林夫婦は保険金詐欺を働いていたと報じられた


林眞須美は10月には逮捕…

2002年和歌山地裁で死刑判決

2009年には最高裁で死刑が確定



しかしながら、動機はまったく不明〜〜

眞須美がカレーに毒物を入れたという直接的な証拠は何もない〜〜

目撃証言も記憶違いだったことが裁判の中で判明する〜〜

加熱するメディアスクラムの中で冤罪のストーリーが作られた???


『Mommy』において、事件当時小学5年だった息子林浩次(仮名)が、母親の眞須美は無実であるという思いを語る…
 

確かに冤罪はあるでしょう…

もっとも、見極めは簡単ではない…

私自身、この事件を起きた90年代に5年ほど法律事務所に勤務していて、ベテラン弁護士の先生からいろいろと実体験を聞いていました…

事件の具体的な内容までは覚えていませんが、

朝9時前、法律事務所のカギが開く前に、ドアの前に鉢巻き姿で座り込み、

弁護士が来所すると「先生、私の無実を証明してください」と嘆願する男


先生はその熱意にほだされて、控訴審を引き受け、無実を勝ち取った。

しかし、さらに名誉を晴らそうという弁護士の提案に対して「先生、もう結構です」と…

その言葉で先生は「こいつ、俺をだましたな」と気付いたそう…

 
和歌山の毒カレー事件については、確かに無罪の可能性は高い感じはする…

しかしながら、法的な立場ではなく、心理学的にこの映画を観ると、

この『マミー』というタイトルが事のすべてを語っているような気がする。


“マミー〟とは幼児が母親を呼ぶ甘えた言葉

息子の浩次も、そして、夫の健治も眞須美のことを“マミー”と呼んでいる
 

つまり、眞須美は彼らにとっての支配者であり、グレートマザーと呼べる存在。

息子や夫は精神的に眞須美の庇護の下に生きていた…

眞須美の指示によって、自らの体にヒ素を打ち、保険金を掠め取る夫…


グレートマザーというのは、ユング心理学の用語であり、すべての人の心に潜在する地球的な母性を象徴する言葉

母なる大地は、私たちに豊かな農作物を与え育んでくれるが、同時に、地震、噴火、津波といった災いや破壊ももたらすという二面性がある〇●

 ユング心理学ではグレートマザーのもつ闇の力から解放されることによって、依存症などの心の病は回復に向かうという ⤴⤴⤴

そして、回復のサインとして、不思議な偶然、良きシンクロが起きて物事がうまく回転するようになるといわれる…

例えば、

電車に乗り遅れたことで、脱線事故に合わずかえって助かった…

夢で見た場所に行ったら、良き理解者と出会い…

フッと浮かんだアイデアを実行してみたら、お金が入ってきた…

そんなシンクロが続くと、心の中に不思議な安心感が生まれてくるもの◎◎◎
 

しかしながら、魔女的なグレートマザーの支配化では…

逆に負のシンクロが起きてしまう???

悪しき場の雰囲気、不安や怒りが渦巻く集合的無意識の影響で〜〜〜

眞須美が犯人であるかのような流れが作られてしまったのかも…


 



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