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心を軽くするヒント

パニック障害の治療にはFAPカウンセリングという心理療法が効果的

 

パニック障害の治療にはFAPカウンセリングという心理療法が効果的

薬物療法の普及

パニック障害1980年頃にそれまでは不安神経症と呼ばれていたものの中で、比較的薬に良く反応する一群があることが分かり、それがパニック障害と名付けられました。
心の問題とされていたパニック障害ですが、実は脳内伝達物質のアンバランスによって引き起こされているということから今は薬物療法が普及しております。

心理療法

パニック障害には薬物療法とともに、認知行動療法という心理療法が効果的であるとされています。

例えば、電車に乗るとパニック障害が起きてしまった経験がある場合、電車に乗るとまた発作が起きてしまうのではないかという不安(予期不安)が生じてしまいます。
認知行動療法とは、そのような場合にまず他人に付き添ってもらって各駅停車で一駅間だけ乗ってみて、次第に駅の数を増やしていき安心感を持つことができるようになったら、自分ひとりで乗るようにし、さらに急行列車に乗ってみるというふうに少しずつハードルを上げていくカウンセリングセラピーです。
さらに、TFT療法、或いはその発展版であるEFT療法というセラピーもあります。
TFT療法は会話による通常のカウンセリングの効果に限界を感じていたロジャー・キャラハン博士が創始したもので、経絡に添った体のツボをたたく(タッピング)することで生体エネルギーの流れが変わり、不安、うつ、恐怖などが消えるというセラピーです。

思いがけないようことがパニック障害の原因になることも

実は当相談室のFAPカウンセリングも、元々はTFT療法をヒントにして生まれたものなのですが、今現在は全く別のものになっており、表面的な症状ではなくその根底にあるトラウマを取り扱い、カウンセリングによる根源的な解決を目指します。

先に述べた認知行動療法の場合は、電車に乗るとまたパニックが起きるのではないかという自動思考(思い込み)を少しずつ行動によって切り替えていくものですが、その自動思考を引き起こしている潜在意識的な要因が必ずあるものです。
電車に乗ってパニックが起きてしまったということ自体が一つのトラウマなのですが、その根底には過去のもっと根深いトラウマがあることが多いのです。
その根本的なトラウマを取り除かないと、とりあえずパニック障害の症状は治ったとしても、うつや強迫性障害などいずれ別のかたちで症状が出てくる可能性があります。

パニック障害の人で、私にはそんな大きなトラウマはありません、パニック障害はPTSDと違ってトラウマは関係ないんじゃないのと思う人もいるでしょう。
ところが、思いがけないようなこと、意外なことがトラウマになっていることが多いのです。

トラウマとなりうるのは、些細なことのように思えても、その場で感情発散ができていないような体験です。
例えば、子供の頃、お母さんといっしょにデパートに買い物に行ったときに、人が大勢いてほんのわずかな間お母さんの姿が見えなくなってしまったということが起きたとします。

そのときに「ママー!」と言って大声で泣き出したとしたらそれはトラウマとしては残らないものなのです。
そうではなくて、ほんの10秒間でも見知らぬ人たちに囲まれて体が固まって何も言えなくなってしまったとしたら、トラウマとして残ってしまう可能性があります。
感情が発散できないままでそのときの不安をずーっと心の中にしまいこんでしまったのです。

そんなこと大したことじゃないよと思うかもしれませんが、そのような体験が成人になってパニック障害となって出てくることがあるのです。
そのような隠れたトラウマは本人は思い出すことはできません。周りの人も気づかないまま大人になってから原因不明のパニック障害の症状がでてしまうのです。
FAPカウンセリングは元々隠れたトラウマを見つけ出し、それを速やかに消去する心理技法として生まれたものです。
つまり、パニック障害はFAPカウンセリングの最も得意とする分野の一つなのです。
長年の苦しみが1回のカウンセリングで大幅に改善することは珍しいことではありません。

心理相談室セラペイアでは、脳科学と東洋医学を統合した「FAP」という技法を中心にして、パニック障害をはじめとした、さまざまな心の病気を治療・改善させるためのカウンセリングを行っています。

大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!

PTSDの解消に有効なFAPカウンセリングとは

PTSDの解消に有効なFAPカウンセリングとは

20世紀とPTSDの関係について

20世紀は世界戦争の時代であり、科学的に開発された兵器による大量殺戮が繰り返され、前世紀に比べると犠牲者は飛躍的に増えました。第一次世界大戦(1914-1918)での塹壕戦では味方の兵士の手足が一瞬にして吹き飛ばされるというような過酷なストレス状態に置かれ、戦場から帰還した後も、戦場での場面が甦り、手足に痙攣が走り、感情が麻痺するなどの症状を持つ人々がいました。
これが当時、砲弾神経症・戦争神経症・戦争トラウマ後遺症などと呼ばれていたものであり、今の言葉でPTSD(Post Traumatic Stress Disorder/心的外傷後ストレス障害)ということになります。
思いがけないような不幸な出来事に遭遇すれば、その直後は一時的には途方にくれ、落ち込むこと(ASD/Acute Stress Disorder/急性ストレス障害)は誰にでもあることです。その精神的ダメージが一ヶ月経っても回復せずに不眠、不安などの症状やフラッシュバック(ショッキングな出来事の追体験)が起き、幸福感の喪失、感情の鈍磨・麻痺、自尊心の喪失などか慢性化してしまったものがPTSDです。

ベトナム戦争(1960-1975)では帰還兵のうちの約30%がPTSDの症状を呈したといいますから、いかに過酷な戦争であったことがわかります。イラク戦争(2003)でもかなりの兵士がPTSDになり、現在も苦しんでいるようです。
戦争や事故以外にも地震、洪水、津波、火事などの災害、テロ、監禁、強姦でもPTSDは起こります。日本でPTSDという言葉が一般化したのは、阪神淡路大震災とオウム真理教による地下鉄サリン事件のあった1995年以降です。PTSDを含めて東日本大震災による心の問題が表面化するのはこれからでしょう。

家庭内での複雑性PTSD

前項でベトナム戦争でのPTSDについて触れましたが、丁度その頃に、やはりアメリカで家庭内の問題によって引き起こされるPTSDというものにスポットが当てられるようになってきました。
それは主に幼児に対する身体的虐待・性的虐待・心理的虐待・ネグレクト(養育の怠慢、放棄)に起因するもので、その子供がある程度の年齢になるとPTSDの症状を呈していたのです。
19世紀末から20世紀初頭のフロイトが活躍した時代には、家庭内の問題にはあまりフォーカスが当てられていませんでしたが、当時ヒステリーといわれていた症状の一部が家庭内でのPTSDに相当します。
戦争や災害によって引き起こされるPTSDは多くの場合、単一のトラウマによるものであり、家庭内で発生するトラウマは長期に及び、また周囲の大人からのさまざまなかたちでの外傷体験であるということから複雑性(複合型)PTSDと呼ばれ、生育期での知能の遅れ、解離性同一性障害(多重人格障害)に発展することもあります。また、被害者が成人して親になった時に、自分が加害者となり子供を虐待してしまう(世代間連鎖)ということが起こりやすくなります。

日本の今の家族

日本において児童相談所への児童虐待の通告がこの10年で激増しております。しかし、この10年で児童虐待が実質的に増加したということではなく、従来隠蔽されていた家族内の問題に社会的な関心がもたれ、顕在化したということのようです。
一部の論者は現代社会における家族の崩壊ということを言いますが、本当にそうなのでしょうか。
横溝正史の小説を読みますと、かつての封建制度の中では「家の恥」として隠蔽され、表には出なかった問題が今以上にあったようにも思えます。社会学者で家庭裁判所の調査官も勤めた湯沢雍彦は、現状の家族問題を十分認識した上で、それでも日本の今の家族は明治以降一番良いのではないかと分析しています。また、精神科医の斎藤学は「今は家族関係の崩壊ではなく、変化ないし再編成の過程であるらしい」と語っています。

原因不明のPTSD

そしてまた、明確なトラウマが見つからないのにPTSDの症状が起きることがあります。それに対してある人は前世と関連付けて説明するかもしれませんが、必ずしもそうする必要はありません。というのは「心の中での虐待」によって引き起こされている可能性があるのです。実際の虐待はなくとも、親が心の中で子供に暴力を振るうイメージをもつだけで敏感な子供はその念を受けてしまうことがあるようなのです。表面上は誰にも分からない想像上の虐待によって引き起こされたPTSDというものが起こりうるのです。

PTSDの治療 -暴露療法、EMDR、そして、FAPカウンセリング-

PTSDの治療には、エクスプロージャー(暴露)療法というものがあります。トラウマ時の体験を思い出してグルーブの中で繰り返し語るというものです。確かに言語化することは良いことですが、大変辛い作業です。
FAPカウンセリングは元々トラウマ治療のために開発されたものであり、カウンセラーの前で辛い体験を告白することなく、スムースに深い癒しを体験できます。
また、同じくPTSDの治療のために開発された心理療法にEMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing;眼球運動による脱感作および再処理法)というものがあります。眼球運動を利用したユニークなトラウマ治療です。ただEMDRで扱えるのは意識化できているトラウマに限られます。先に述べたような幼少期のトラウマもさる事ながら「心の中の虐待」は本人は全く気がついていないものです。その人の人生に大きな影響を与えている重大なトラウマは、ほとんどの場合無意識の底に沈んでしまっていて思い出せないものなのです。FAPカウンセリングでは、当人が気づかない本当のトラウマを見つけ出すことができます。そしてその上で、その根深いトラウマを速やかに消去することかできる技法です。

心理相談室セラペイアでは、脳科学と東洋医学を統合した「FAP」という技法を中心にして、PTSDをはじめとした、さまざまな心の病気を治療・改善させるためのカウンセリングを行っています。

大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!

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