うつ病にカウンセリングは効果的?うつ病についても詳しく解説!
「うつ病にカウンセリングは効果的?」
「そもそもうつ病ってどんな状態?」
「うつ病の種類と治療方法を知りたい!」
近年、うつ病という言葉を聞いたことのない人は少ないでしょう。
しかし、その知名度とは裏腹に知られていないことや誤解が意外に多い疾患です。
そこで本記事では、うつ病の症状からうつ病の原因、その種類や治療方法まで詳しくお伝えしていきます。
うつ病に悩む方やカウンセリングを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも「うつ病」とはどんな状態を指す?
現代の日本社会に100万人いるといううつ病ですが、そもそもうつ病とは何なのでしょうか。
精神科や心療内科などで実際に使われている最新の診断マニュアルには以下のような症状があります。
- 精神症状:抑うつ気分、関心・興味の減退、知的活動能力の減退、自責感・無価値観、日内気分変動など
- 身体症状:睡眠障害、食欲の変化、疲労感など
- 活動できない自責感から自殺念慮を抱くこともあり、患者の約10%が実際に自殺を企ててしまう
「うつ病」と「躁うつ病」の区別
また、「うつ病(=単極性障害)」と「躁うつ病(=双極性障害)」の混同に注意しなければなりません。
躁うつ病は、上記のようなうつ症状もありますが、同時に下記のような真逆の躁状態を伴う疾患です。
- 精神症状:過活動、観念奔走(次々と考えが浮かび、話がたびたび脇道に逸れてしまうこと)、誇大妄想、易刺激性(些細なことで怒ったり興奮したりすること)など
- 身体症状:睡眠障害、食欲や性欲の増加など
- その他:自分の異常に気づかず病識がないことが多い
もっとも、躁うつ病の中にも、躁状態がはっきりと表出せずに、うつ病に類似した一群(双極Ⅱ型障害)があります。
しかしながら、双極Ⅱ型障害とうつ病は、根本的な病理が違うものであり、薬の処方も全く違うものです。
自己判断ではなく、うつ病と躁うつ病を区別するという意味でも、専門家の判別診断を受けることをおすすめします。
本項では、うつ病(単極性障害)にフォーカスしてご説明していきます。
うつ病の種類について
ここまで、うつ病がどういった状態かを説明してきました。
しかし、一口にうつ病といってもその種類はさまざまで、それぞれ特徴も違います。
そのため、もっとも一般的なうつ病だけを学び「うつ病とはこういうもの」と決めつけてしまうのは大変危険です。
そこでここからは、以下の5つのうつ病の種類と特徴について解説していきます。
- メランコリー型うつ病
- 非定型うつ病
- 季節型うつ病
- 産後うつ
- 仮面うつ病
それぞれ確認していってください。
種類①メランコリー型うつ病
はじめに紹介するのは、メランコリー型うつ病です。
聞き馴染みの薄い俗称かもしれませんが、これがいわゆる一般的なうつ病です。
メランコリーとは「憂鬱な」という意味です。
抑うつ気分が中心のうつ病なのですが、興味の喪失や無価値観といった気分症状以外にも、睡眠障害や食欲不振などの症状が伴います。
興味が喪失するため、一時的な気晴らしはあまり意味がありません。
「頑張りたいけれど、どうしても気力が沸かない」状態ですから、励ますことは逆効果といえます。
種類②非定型うつ病
次に紹介するのは、非定型うつ病です。
別名を「新型うつ病」あるいは「現代型うつ病」ともいい、メランコリー型うつ病とは大きく症状も異なります。
抑うつ気分はやはりあるものの、その反面、興味の減退は少なく、趣味などは楽しめる傾向にあります。
そのため「ストレスのかかること(たとえば仕事)はできないのに遊んでいる」と非難されてしまうこともあり、理解されにくい疾患です。
種類③季節型うつ病
次に紹介するのは、季節型うつ病です。
これは季節型感情障害(SAD)とも呼ばれ、その名のとおり特定の季節に発症するうつ病です。
日光浴によって生成される幸せホルモン「セロトニン」の分泌具合が、日照時間の変化によって変わってしまうことがひとつの原因といわれています。
種類④産後うつ
次に紹介するのは、産後うつです。
これは聞き馴染みがある人も多いのではないでしょうか。
出産によるホルモンバランスの乱れや、育児による睡眠不足や疲労、精神的ストレスなどが原因と考えられています。
種類⑤仮面うつ病
最後に紹介するのは、仮面うつ病です。
仮面うつ病とは、精神症状よりも主に身体症状が出るうつ病のことで、当人も自分がうつ病であることに気が付かない場合も多いものです。
精神的なストレスが原因で身体症状が出てしまう心身病の一種でもあります。
主な身体症状は、頭痛や腰痛、肩こり、胃腸障害、倦怠感や息切れ、ほてりなど。
内科を受診しても体に異常が見られない場合は仮面うつ病に該当する場合があります。
うつ病の原因について
ここまで、さまざまなうつ病の症状の種類を解説してきました。
これだけの種類があるわけですが、そもそも、うつ病の本質とは何なのでしょうか。
ここからは、うつ病全般にいえる要因について解説していきます。
近年までうつ病の原因はまったく解明されておらず、凡そのところ、うつ病になりやすい性格ということで以下のように考えられていました。
うつ病になりやすい性格
- 循環気質:精神科医のクレッチマーが提唱した「体型から性格を類型した論」における肥満型。おおらかで社交的、陽気で活発な性格とされる。
- 執着気質:精神科医の下田光造によるもの。律儀で責任感が強く、物事にのめり込みやすい性格とされる。
- メランコリー親和型性格:精神医学者テレンバッハによるもの。几帳面で責任感が強く、秩序と道徳を重んじる利他的な性格とされる。
これらの説は、確かに一側面では当たっているように思えるのですが、科学的根拠に乏しく、近年はあまり支持されてはいません。
しかしながら現在、うつ病にウイルスが関与しているのではないかという説が注目されています。
2020年6月、東京慈恵会医科大学の近藤一博教授率いる研究グループが発表したうつ病の原因はまさかの「ウイルス」だったのです。
幼児期に誰しもが感染しているヒトヘルペスウイルス6。
普段は血中に潜伏していますが、疲労やストレスによって唾液中に急増します。
これが鼻と脳の間にある器官「嗅球」に感染することで、「SITH−1遺伝子」と名づけられたウイルス遺伝子が作用し、脳のストレス状態を増幅させていたという発表がなされました。
実際、うつ症状のない人とうつ病患者の血中にSITH−1遺伝子によって作られるSITH−1タンパク質の有無を示す抗体を調べると、うつ病患者の8割で抗体が確認されています。
また、SITH−1タンパク質がある場合、約12倍もうつ病になりやすいことも発表されました。
もっとも、ヒトヘルペスウイルス6によって、うつ病のメカニズムすべてを説明するのは無理があると思います。
遺伝的な気質、後天的な生育環境、ストレスフルな対人関係、偏った食生活などが複雑に絡み合い、免疫力が低下することによりウイルス感染も起きると考えることができます。
つまり、今の段階ではうつ病は複合的な要因によって生じる疾患と考えるのが妥当なところでしょう。
ウイルスと心の病についての研究は始まったばかりです。
今後のさらなる研究成果が待たれるところです。
こちらの記事では性格を変えるために効果的な方法を詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
参考記事:性格を変えたい場合にはカウンセリングが効果的?
うつ病の治療方法
ここまで、うつ病の種類や原因について解説しました。
ここからは、うつ病の治療方法についても紹介していきます。
主な方法は以下の3つです。
- 薬物療法
- カウンセリング療法
- うつ病の再発を予防するための生活改善
それぞれ解説していきます。
方法①薬物療法
はじめに紹介するのは薬物療法です。
うつ病の症状には、セロトニンなどの脳内物質が関与しているといわれます。
薬物によって、ある程度はその脳内物質をコントロールすることできるのです。
しかしながら、薬の効果については、個人差があります。
薬を飲みつつ、その効果を引き出す意味でも、十分な休養と睡眠、バランスのいい食事といったことを心がけることも必要です。
方法②カウンセリング療法
2つ目に紹介する方法はカウンセリング療法です。
うつ病には、幼少期からの生育歴、家庭環境、進路の問題、職場でのストレスなどメンタルな要因が関係しています。
まずそれらをカウンセラーに話すことで、自分のかかえている問題を客観視(外在化)することができるようになり、それだけで結構楽になるものです。
そして、どのような状況に置かれると、気分が落ち込んでしまうのか、ネガティブな感情が出やすいのか…
カウンセリング技法の一つである認知行動療法を中心にして、自らの思考パターンの癖に気が付き、意図的に行動改善を図っていきます。
また、必要に応じて精神分析やトラウマ治療も行っていきます。
こちらの記事ではカウンセリングでの実際の流れや、カウンセリングを受けるメリットについて詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
参考記事:カウンセリングとは? 受ける際の流れやメリットについて解説
方法③うつ病の再発を予防するための生活改善
最後に紹介するのは、うつ病の再発予防についてです。
うつ病から回復したとしても、ストレスフルな環境に置かれるとまたうつ病が再発することも多いものです。
やはり、十分な休養と睡眠、バランスのいい食事といったことを日々心がけることが必要です。
また、自分がやりたい趣味、生きがいをもち、それに打ち込むことはうつっぽい気分を追い払うものです。
それでも、再発の不安を感じたら、またカウンセラーや信頼できる人に話を聞いてもらうようにしましょう。
うつ病に有効なFAPカウンセリングとは
ここまで、うつ病の代表的な治療方法を紹介してきましたが、最後にもうひとつ紹介します。
それが、FAPカウンセリングと呼ばれるものです。
FAP(Free From Anxiety Program)は、直訳すると「不安・苦痛からの開放のプログラム」となります。
東洋医学における経絡と臓器のつながりの考えを応用しつつ、現代の脳科学の成果を取り入れたものです。
さらに、従来の代表的なカウンセリング理論である精神分析と認知行動療法、そして、トラウマ治療を含めた最新の統合カウンセリング技法といえます。
心理相談室セラペイアでも、この最新のカウンセリング「FAP」を採用しています。
うつ病にはカウンセリングが有効
うつ病は、遺伝的な気質、幼少期からの生育環境、ストレスフルな対人関係、偏った食生活、睡眠不足などが複雑にからみ合って生じるものです。
さらに、うつ病にウイルスが関与しているなら、ウイルスに感染しないように免疫力、ストレス耐性を高めることも必要でしょう。
うつ病から根本的に開放されるには、「FAP」を用いた全人的な、ホリスティックなカウンセリングは極めて有効なものです。
心理相談室セラペイアでは、「FAP」をベースにさまざまな悩みに多角的なカウンセリングをしています。
カウンセリングをご希望の方は、お気軽にご相談ください。