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心理学コラム

うつ病にカウンセリングは効果的?うつ病についても詳しく解説!

「うつ病にカウンセリングは効果的?」

「そもそもうつ病ってどんな状態?」

「うつ病の種類と治療方法を知りたい!」

近年、うつ病という言葉を聞いたことのない人は少ないでしょう。

しかし、その知名度とは裏腹に知られていないことや誤解が意外に多い疾患です。

そこで本記事では、うつ病の症状からうつ病の原因、その種類や治療方法まで詳しくお伝えしていきます。

うつ病に悩む方やカウンセリングを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

そもそも「うつ病」とはどんな状態を指す?

現代の日本社会に100万人いるといううつ病ですが、そもそもうつ病とは何なのでしょうか。

精神科や心療内科などで実際に使われている最新の診断マニュアルには以下のような症状があります。

  • 精神症状:抑うつ気分、関心・興味の減退、知的活動能力の減退、自責感・無価値観、日内気分変動など
  • 身体症状:睡眠障害、食欲の変化、疲労感など
  • 活動できない自責感から自殺念慮を抱くこともあり、患者の約10%が実際に自殺を企ててしまう

「うつ病」と「躁うつ病」の区別

また、「うつ病(=単極性障害)」と「躁うつ病(=双極性障害)」の混同に注意しなければなりません

躁うつ病は、上記のようなうつ症状もありますが、同時に下記のような真逆の躁状態を伴う疾患です。

  • 精神症状:過活動、観念奔走(次々と考えが浮かび、話がたびたび脇道に逸れてしまうこと)、誇大妄想、易刺激性(些細なことで怒ったり興奮したりすること)など
  • 身体症状:睡眠障害、食欲や性欲の増加など
  • その他:自分の異常に気づかず病識がないことが多い

もっとも、躁うつ病の中にも、躁状態がはっきりと表出せずに、うつ病に類似した一群(双極Ⅱ型障害)があります。

しかしながら、双極Ⅱ型障害とうつ病は、根本的な病理が違うものであり、薬の処方も全く違うものです。

自己判断ではなく、うつ病と躁うつ病を区別するという意味でも、専門家の判別診断を受けることをおすすめします。

本項では、うつ病(単極性障害)にフォーカスしてご説明していきます。

うつ病の種類について

ここまで、うつ病がどういった状態かを説明してきました。

しかし、一口にうつ病といってもその種類はさまざまで、それぞれ特徴も違います。

そのため、もっとも一般的なうつ病だけを学び「うつ病とはこういうもの」と決めつけてしまうのは大変危険です

そこでここからは、以下の5つのうつ病の種類と特徴について解説していきます。

  • メランコリー型うつ病
  • 非定型うつ病
  • 季節型うつ病
  • 産後うつ
  • 仮面うつ病

それぞれ確認していってください。

種類①メランコリー型うつ病

はじめに紹介するのは、メランコリー型うつ病です。

聞き馴染みの薄い俗称かもしれませんが、これがいわゆる一般的なうつ病です。

メランコリーとは「憂鬱な」という意味です。

抑うつ気分が中心のうつ病なのですが、興味の喪失や無価値観といった気分症状以外にも、睡眠障害や食欲不振などの症状が伴います。

興味が喪失するため、一時的な気晴らしはあまり意味がありません。

「頑張りたいけれど、どうしても気力が沸かない」状態ですから、励ますことは逆効果といえます。

種類②非定型うつ病

次に紹介するのは、非定型うつ病です。

別名を「新型うつ病」あるいは「現代型うつ病」ともいい、メランコリー型うつ病とは大きく症状も異なります。

抑うつ気分はやはりあるものの、その反面、興味の減退は少なく、趣味などは楽しめる傾向にあります。

そのため「ストレスのかかること(たとえば仕事)はできないのに遊んでいる」と非難されてしまうこともあり、理解されにくい疾患です。

種類③季節型うつ病

次に紹介するのは、季節型うつ病です。

これは季節型感情障害(SAD)とも呼ばれ、その名のとおり特定の季節に発症するうつ病です。

日光浴によって生成される幸せホルモン「セロトニン」の分泌具合が、日照時間の変化によって変わってしまうことがひとつの原因といわれています。

種類④産後うつ

次に紹介するのは、産後うつです。

これは聞き馴染みがある人も多いのではないでしょうか。

出産によるホルモンバランスの乱れや、育児による睡眠不足や疲労、精神的ストレスなどが原因と考えられています。

種類⑤仮面うつ病

最後に紹介するのは、仮面うつ病です。

仮面うつ病とは、精神症状よりも主に身体症状が出るうつ病のことで、当人も自分がうつ病であることに気が付かない場合も多いものです。

精神的なストレスが原因で身体症状が出てしまう心身病の一種でもあります。

主な身体症状は、頭痛や腰痛、肩こり、胃腸障害、倦怠感や息切れ、ほてりなど。

内科を受診しても体に異常が見られない場合は仮面うつ病に該当する場合があります。

うつ病の原因について

ここまで、さまざまなうつ病の症状の種類を解説してきました。

これだけの種類があるわけですが、そもそも、うつ病の本質とは何なのでしょうか。

ここからは、うつ病全般にいえる要因について解説していきます。

近年までうつ病の原因はまったく解明されておらず、凡そのところ、うつ病になりやすい性格ということで以下のように考えられていました。

うつ病になりやすい性格

  • 循環気質:精神科医のクレッチマーが提唱した「体型から性格を類型した論」における肥満型。おおらかで社交的、陽気で活発な性格とされる。
  • 執着気質:精神科医の下田光造によるもの。律儀で責任感が強く、物事にのめり込みやすい性格とされる。
  • メランコリー親和型性格:精神医学者テレンバッハによるもの。几帳面で責任感が強く、秩序と道徳を重んじる利他的な性格とされる。

これらの説は、確かに一側面では当たっているように思えるのですが、科学的根拠に乏しく、近年はあまり支持されてはいません。

しかしながら現在、うつ病にウイルスが関与しているのではないかという説が注目されています。

2020年6月、東京慈恵会医科大学の近藤一博教授率いる研究グループが発表したうつ病の原因はまさかの「ウイルス」だったのです。

幼児期に誰しもが感染しているヒトヘルペスウイルス6。

普段は血中に潜伏していますが、疲労やストレスによって唾液中に急増します。

これが鼻と脳の間にある器官「嗅球」に感染することで、「SITH−1遺伝子」と名づけられたウイルス遺伝子が作用し、脳のストレス状態を増幅させていたという発表がなされました。

実際、うつ症状のない人とうつ病患者の血中にSITH−1遺伝子によって作られるSITH−1タンパク質の有無を示す抗体を調べると、うつ病患者の8割で抗体が確認されています。

また、SITH−1タンパク質がある場合、約12倍もうつ病になりやすいことも発表されました。

もっとも、ヒトヘルペスウイルス6によって、うつ病のメカニズムすべてを説明するのは無理があると思います。

遺伝的な気質、後天的な生育環境、ストレスフルな対人関係、偏った食生活などが複雑に絡み合い、免疫力が低下することによりウイルス感染も起きると考えることができます。

つまり、今の段階ではうつ病は複合的な要因によって生じる疾患と考えるのが妥当なところでしょう。

ウイルスと心の病についての研究は始まったばかりです。

今後のさらなる研究成果が待たれるところです。

こちらの記事では性格を変えるために効果的な方法を詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
参考記事:性格を変えたい場合にはカウンセリングが効果的?

うつ病の治療方法

ここまで、うつ病の種類や原因について解説しました。

ここからは、うつ病の治療方法についても紹介していきます。

主な方法は以下の3つです。

  • 薬物療法
  • カウンセリング療法
  • うつ病の再発を予防するための生活改善

それぞれ解説していきます。

方法①薬物療法

はじめに紹介するのは薬物療法です。

うつ病の症状には、セロトニンなどの脳内物質が関与しているといわれます。

薬物によって、ある程度はその脳内物質をコントロールすることできるのです。

しかしながら、薬の効果については、個人差があります。

薬を飲みつつ、その効果を引き出す意味でも、十分な休養と睡眠、バランスのいい食事といったことを心がけることも必要です。

方法②カウンセリング療法

2つ目に紹介する方法はカウンセリング療法です。

うつ病には、幼少期からの生育歴、家庭環境、進路の問題、職場でのストレスなどメンタルな要因が関係しています。

まずそれらをカウンセラーに話すことで、自分のかかえている問題を客観視(外在化)することができるようになり、それだけで結構楽になるものです。

そして、どのような状況に置かれると、気分が落ち込んでしまうのか、ネガティブな感情が出やすいのか…

カウンセリング技法の一つである認知行動療法を中心にして、自らの思考パターンの癖に気が付き、意図的に行動改善を図っていきます。

また、必要に応じて精神分析やトラウマ治療も行っていきます。

こちらの記事ではカウンセリングでの実際の流れや、カウンセリングを受けるメリットについて詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
参考記事:カウンセリングとは? 受ける際の流れやメリットについて解説

方法③うつ病の再発を予防するための生活改善

最後に紹介するのは、うつ病の再発予防についてです。

うつ病から回復したとしても、ストレスフルな環境に置かれるとまたうつ病が再発することも多いものです。

やはり、十分な休養と睡眠、バランスのいい食事といったことを日々心がけることが必要です。

また、自分がやりたい趣味、生きがいをもち、それに打ち込むことはうつっぽい気分を追い払うものです。

それでも、再発の不安を感じたら、またカウンセラーや信頼できる人に話を聞いてもらうようにしましょう。

うつ病に有効なFAPカウンセリングとは

ここまで、うつ病の代表的な治療方法を紹介してきましたが、最後にもうひとつ紹介します。

それが、FAPカウンセリングと呼ばれるものです。

FAP(Free From Anxiety Program)は、直訳すると「不安・苦痛からの開放のプログラム」となります。

東洋医学における経絡と臓器のつながりの考えを応用しつつ、現代の脳科学の成果を取り入れたものです。

さらに、従来の代表的なカウンセリング理論である精神分析と認知行動療法、そして、トラウマ治療を含めた最新の統合カウンセリング技法といえます。

心理相談室セラペイアでも、この最新のカウンセリング「FAP」を採用しています。

うつ病にはカウンセリングが有効

うつ病は、遺伝的な気質、幼少期からの生育環境、ストレスフルな対人関係、偏った食生活、睡眠不足などが複雑にからみ合って生じるものです。

さらに、うつ病にウイルスが関与しているなら、ウイルスに感染しないように免疫力、ストレス耐性を高めることも必要でしょう。

うつ病から根本的に開放されるには、「FAP」を用いた全人的な、ホリスティックなカウンセリングは極めて有効なものです。

心理相談室セラペイアでは、「FAP」をベースにさまざまな悩みに多角的なカウンセリングをしています。

カウンセリングをご希望の方は、お気軽にご相談ください。

大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!

DVの解消にカウンセリングは効果的?特徴や原因も詳しく解説!

「DVの解消にカウンセリングは効果的?」

「そもそもDVってどんな状態?」

「DVの原因になりやすい男性の特徴を知りたい!」

DVは「Domestic Violence」の略称で「家庭内暴力」と訳されますが、主に夫婦間もしくは恋人間の暴力行為を指します。

2001年のDV防止法の制定とその後の改定により、DVは犯罪として社会的に認知されるようになりましたが、その実態は未だ深刻な社会問題です。

被害者でありながら逃げられないというケースも少なくありません。

そこで本記事では、DVをしてしまう男性の心理や特徴、 DV被害者に効果的なカウンセリングを、心理学のプロが詳しくお伝えしていきます。

DVに悩む方やカウンセリングを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

そもそも「DV(ドメスティックバイオレンス)」とはどんな状態を指す?

まず、そもそも「DV(ドメスティックバイオレンス)」とはどんな状態を指すのでしょうか。

主な特徴としては、以下の6つが挙げられます。

  • 身体的暴力
  • 精神的・心理的暴力
  • 性的暴力
  • 経済的暴力
  • 社会的隔離
  • 子どもを使った暴力

それぞれ解説していきます。

種類①身体的暴力

DVの特徴としてはじめに解説するのは「身体的暴力」です。

直接的な身体的暴力により、ときには命の危険に晒されたり、重篤な後遺症につながるものです。

また、後述するとおり、身体に危害を加えられたときの恐怖感はトラウマとして残るものです。

こちらの記事ではトラウマとはそもそもどのようなものなのか詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
参考記事:トラウマによる心の傷はカウンセリングで克服できる?

種類②精神的・心理的暴力

DVの特徴として2つ目に解説するのは「精神的・心理的暴力」です。

これらは身体的暴力に隠れて見過ごされがちですが、暴言はもちろん、日常的な無視や嫌味、嫌がらせ、わざと冷たい態度を取ることなども精神的・心理的暴力としてれっきとしたDVです。

また「身体的暴力」にはならなくとも、壁をバーンと叩いたり、家具などを破損させ威嚇する行為もDVです。

種類③性的暴力

DVの特徴として3つ目に解説するのは「性的暴力」です。

たとえ夫婦間であっても、性的暴力は成立します。

合意のない性交渉がレイプと見做されるだけでなく、了承なく裸を見たり見せたり、裸体の写真を撮ったりする行為も性的暴力の一種です。

種類④経済的暴力

DVの特徴として4つ目に解説するのは「経済的暴力」です。

経済的暴力とは、被害者に経済的負担を課して生活を圧迫させることを目的としたDVを指します。

パートナーに生活費を渡さなかったり、金銭や財産を搾取したり、仕事を無理に辞めさせたりする行為などが挙げられます。

ときには、借金を負わせたりすることも含まれます。

種類⑤社会的隔離

DVの特徴として5つ目に解説するのは「社会的隔離」です。

わかりやすくいえば、過度な束縛です。

具体的には、仕事を辞めさせる、ママ友や趣味などのコミュニティから脱退させる、友人関係を断ち切らせる、実家へ帰さない、などが挙げられます。

種類⑥子どもを使った暴力

DVの特徴として最後に解説するのは「子どもを使った暴力」です。

これは、上記で解説した「身体的暴力」や「精神的・心理的暴力」などを、子どもにさせるDVです。

また、子どもの前で各種DVを行うこと(面前DV)もこれに該当します。

暴力を子どもが目撃することで、子供の心理的、社会的、行動的な発達に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

DVの原因になりやすい男性の性格傾向

DVがどんな状態を指すのかわかったところで、次はその原因となる加害者側の性格傾向を見ていきましょう。

DVは本来、性別に関係なく起こりえることです。

ただし、ここでは比較的被害の多い男性から女性へのDVに絞って解説していきます。

原因となる加害者の性格傾向は以下の5つです。

  • 意志が弱い
  • 自分に自信がない
  • 女性に依存している
  • 普段は優しく温厚
  • 気分の浮き沈みが激しい

それぞれ見ていきましょう。

特徴①意志が弱い

原因となる加害男性の性格傾向、1つ目は「意志が弱い」です。

意志の弱さは責任感の薄さにもつながります。

真面目に働くといいながらサボってしまう、ギャンブルはもうしないといいながらしてしまう。

こうした意志の薄弱性により、暴力をいけないことと思いながらもしてしまったり、二度と暴力を振るわないと誓ってもまた繰り返してしまうのです。

性格傾向②自分に自信がない

原因となる加害男性の性格傾向、2つ目は「自分に自信がない」です。

自分に自信がない人ほどプライドが高いという話を聞いたことはないでしょうか。

自分に自信がないために、些細な注意やダメ出しに対して過剰に反応してしまい、結果としてDVにつながることがあります。

性格傾向③女性に依存している

原因となる加害男性の性格傾向、3つ目は「女性に依存している」です。

冒頭のDVの解説にもあったとおり、DVは「束縛」めいた側面も持ち合わせています。

また、家庭内で暴力を起こしていることからもわかるとおり、DVをする男性は、その女性にこだわっているのです。

こちらの記事では依存症の特徴や原因について詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
参考記事:依存症にカウンセリングは効果的?特徴や原因も詳しく解説!

性格傾向④普段は優しく温厚

原因となる加害男性の性格傾向、4つ目は「普段は優しく温厚」です。

これはある種の結果論でもありますが、すぐに別れない、DVがDVとして日常化してしまっているというケース、女性が離れない理由は、まさに男性の優しさです。

普段は優しいから、怒りやすいだけでそのあとすぐ謝ってくれる、と許していては悪循環が続きます。

性格傾向⑤気分の浮き沈みが激しい

原因となる加害男性の性格傾向、5つ目は「気分の浮き沈みが激しい」です。

ここまで、DV加害男性の性格を4つ紹介してきましたが、総じてDV加害男性は「精神的に弱い」のです。

精神的なセルフコントロールがうまくできず、そのため気分の浮き沈みも激しい傾向にあります。

DVをしてしまう男性の本質的な特徴

ここまで、原因となる男性加害者の性格傾向を5つ紹介してきました。

ここからはより踏み込んで、DVをしてしまう男性の本質的な特徴について、同じく5つ紹介していきます。

その5つとは、以下のとおりです。

  • 相手をコントロールしたいと考えている
  • 過去にDVを受けていた
  • 母親の愛情不足
  • 過保護に育てられた
  • 愛情表現と勘違いしている

それぞれ解説していきます。

特徴①相手をコントロールしたいと考えている

DVをしてしまう男性の特徴、1つ目は「相手をコントロールしたいと考えている」です。

自信がなく女性に依存している男性は、やがて見捨てられたくない、離れられたくないという感情から、相手をコントロールしようと考えます。

はじめは言葉で説得を試みるでしょうが、それが叶わないとわかった途端、次第に態度や行動でコントロールしようと働きかけてしまいます。

特徴②過去にDVを受けていた

DVをしてしまう男性の特徴、2つ目は「過去にDVを受けていた」です。

幼い頃に自分が暴力を受けていた、あるいは両親間でのDVを見ていたという人は、自分も同じ手段で家庭をまとめようとしてしまう傾向にあります。

実際、内閣府の調査によると、18歳までに暴力を受けたことのある男性は「しつけや教育のために夫が妻を叩くのはやむをえないことである」と答える割合が多くなっています。

一方、女性の場合には真逆になることも内閣府の調査で判明しています。

幼少期にDVを受けたことのある女性は暴力に対する恐怖心が根強く残り、大人になっても、暴力には賛成できない場合が多いようです。

特徴③母親の愛情不足

DVをしてしまう男性の特徴、3つ目は「母親の愛情不足」です。

誤解されやすいのですが「実際に母親が愛していたかどうか」は関係ありません。

大切なのは「本人が愛されていた実感を持っているかどうか」です。

母親は「わが子を愛していた」と思っていても、子供は「愛されてなかった」と感じてしまう心のすれ違いはよく起こることです。

その不満は、やがて母親を重ねたパートナーへDVというかたちでぶつけられてしまうかもしれません。

特徴④過保護に育てられた

DVをしてしまう男性の特徴、4つ目は「過保護に育てられた」です。

母親の愛情不足もDVの原因になりえますが、過保護に育てられることもDVの原因になりえます。

何でもしてくれた母親とパートナーを対比し「この女性はなぜ自分の思うがままに動いてくれないのか」と不満を募らせ、DVというかたちで表出することがあります。

特徴⑤愛情表現と勘違いしている

DVをしてしまう男性の特徴、5つ目は「愛情表現と勘違いしている」です。

DV加害者は、往々にして「私はパートナーを愛している(この行為も愛情表現だから誰も咎めるべきでない)」とあげつらうことがあります。

しかし、それは大きな勘違い。

愛の定義は諸説ありますが、愛しているから許されるというわけでもありません。

本人が愛情表現のつもりでも、相手にそうと伝わっていなければ、本当の愛とはいえないでしょう。

DVの被害者が逃げられない理由

ここまで、DV加害男性の特徴を解説してきました。

ところで、 DVの被害者はしばしば「逃げられない」と思ってしまうのを知っているでしょうか。

実際、それによってDVが長い期間表沙汰にならないケースも少なくありません。

ここでは、被害者が逃げられないといわれる理由を、以下の4つの観点から解説していきます。

  • DV男は外面がいい
  • DVの原因が自分にあると考えてしまう
  • 「逃げる」ことも恐怖に感じてしまう
  • 精神疾患になってしまう

それぞれ見ていきましょう。

理由①DV男は外面がいい

DVの被害者が逃げられない理由としてはじめに解説するのは、「加害者は外面がいい」場合が多いということです。

DV加害者は社会的隔離を行ったり、そこまでいかずともパートナーが自分の元を去らないか常に意識を向けています。

そのため、家の外などの公の場ではDVらしい行動を見せません。

それどころか、DV男は、職場や近隣の人たちに対して、常識をわきまえた社会人、良きご主人で通っているものなのです。

そのことから、DV被害者は「第三者に言っても信じてもらえないのではないか」「真剣に取り合ってくれないのではないか」と考えてしまうのです。

理由②DVの原因が自分にあると考えてしまう

DVの被害者が逃げられない理由として2つ目に解説するのは「DVの原因が自分にあると考えてしまうから」です。

一般的に、DVは何度も繰り返されます。

暴力を繰り返し受けるなかで、被害者の脳は「自分に原因がある。自分が悪いのだ。だから自分が変わればこの状況も変わる」と、錯覚してしまうのです。

理由③「逃げる」ことも恐怖に感じてしまう

DVの被害者が逃げられない理由として3つ目に解説するのは「『逃げる』ことも恐怖に感じてしまうから」です。

DVを繰り返し受けた人の脳には生理的な変化が生じ、「逃げたら何されるかわからない」という恐怖感が増大していきます。

そして、暴力と親切を交互に受けるなかで「従っていた方が安全だ」と考えてしまい、さらに余計に逃げられなくなっていきます。

理由④精神疾患になってしまう

DVの被害者が逃げられない理由として最後に解説するのは「精神疾患になってしまって」というケースです。

DVが原因で、うつ、不安障害やPTSD、解離性障害などにかかってしまうことも少なくなく、そうなると逃げる気力が奪われます。

精神疾患以外でも、人の脳はDVなどの暴力や監禁を繰り返し受けて逃げられない状況が続くと「学習性無力感」という現象が発生し、たとえ逃げることが可能な状況でも逃げる気力を失ってしまいます。

DV被害者の安全の確保について

DVは犯罪行為であり、いかなる理由があっても許されないことです。

まずDV専門の窓口にご相談下さい。

法的な措置についても教えてもらえるでしょう。

身体的な暴力により、命の危険を感じるほどであるならば、シェルターなどに避難して何よりもまず身の安全を確保することが第一です。

DV被害者へのカウンセリングについて

身の安全を確保し、精神的にもある程度落ち着きを取り戻した状態になれば、カウンセリングはとても有効です。

DV被害に至ってしまったいきさつを振り返り、今後同様なことを繰り返さないためにカウンセリングを受けることをお勧めいたします。

具体的なカウンセリングの手順は以下の4つです。

  1. 自責的・自罰的思考への気づき
  2. 自らの本心を語る
  3. トラウマの解消
  4. 本来の自分らしい人生を生きる

それぞれ詳しく解説していきます。

カウンセリング➀自責的・自罰的思考への気づき

DV被害者は、DV加害者と同様にその生い立ちにおいて親から虐待を受けたり、両親のDVを見て育ってきた場合が多いものです。

そのような環境にいると、自分が悪い子だから怒られたり、両親が争うんだという自責的な思考に陥ってしまうものなのです。

まずカウンセリングによって、自らのネガティブな思考パターンや罪悪感といったものを客観的にみつめていきます。

そして、自らの生育歴のなかで生じた「認知の歪み(極端な思考の癖)」に少しずつ気が付いていきます。

カウンセリング➁自らの本心を語る

DV被害者は全般的にセルフイメージが低く、生きづらさを感じているものです。

DVを拒否せずに受けることで、「この人には私がついていなければダメ」といった思いをもち、被害者のままでいることで自らの存在意義を見出す傾向があります。

しかしそのことは、さらにDVを増長させる結果となってしまいます。

認知の修正とともに、本当は相手にどうしてもらいたいのか、さらに、私自身は自らの人生の中で何をしたいのかといった未来の展望についても考えていきます。

カウンセリング③トラウマの解消

一般的なカウンセリングは上記の2つが中心となりますが、DVからの根本的な解放のためには「トラウマの解消」が必要なのです。

認知の歪み、ネガティブな思考、セルフイメージの低さは、生育歴の中で受けたトラウマによって引き起こされているものなのです。

そして、トラウマの本体というものは無意識的なものであり、当人が気が付いていない場合が多いのです。

ただ、トラウマのフラッシュバックというかたちで、ときにそのトラウマの断片が顕在化してきて当人を苦しめるのです。

カウンセラーがそのトラウマの全体像を丁寧に読み解いていきます。

トラウマを解消することにより、心の重石がとれ、未来へ生きる力が生まれてきます。

カウンセリング④本来の自分の人生を生きる

現状の問題、過去の問題を解決したあとは、未来の人生にフォーカスします。

先に述べたとおり、DV被害者は、DV加害者と同様にその生い立ちにおいて親から虐待を受けたり、両親のDVを見て育って来た場合が多いものです。

そのためにDV被害者はDV加害者の心情に共感してしまうところがあるのです。

ですから、DV被害者はDV気質の人とふたたび付き合ってしまったり、もとのDV加害者の元へ戻ってしまったりすることが珍しくありません。

トラウマの治療によって、大よそのところその悪循環を断ち切れるのですが、さらに本来の自分の人生を生きるためには、未来のピジョン作り、目標設定ということが必要となります。

しかしそれは、表面的なポジティブ思考や明るいイメージ作りではありません。

今までの苦しい人生を切り捨てるということではなくて、それらがあったお陰で人生の深い意味にも気づけたという内省をしつつ、今後の人生の歩みについて考えていきます。

DV問題の根本的な解決にはカウンセリング

DV被害は、第三者への伝わりにくさやDVの原因が自分にあるのではないかという不必要な自責の念、逃げる恐怖や精神疾患から、なかなか表に出づらい問題です。

しかし、DVを含めそれを発端とした悲惨な事件も多くあります。

まずはカウンセリングを経て、メンタルの回復や今後の人生設計について冷静に見つめ直しましょう。

心理相談室セラペイアでは、以上のカウンセリングの3つのステップすべてを含めたカウンセリングを行っております。

カウンセリングをご希望の方は、お気軽にご相談ください。

大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!

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