ストレスが限界に達したときのサインとは?我慢せずにカウンセリングの受診を
ストレスとは、社会生活の中で受け取ってしまうさまざまな不快な刺激(ストレッサー)のことです。
基本的には、対人関係で引き起こされる緊張感、違和感などを指しますが、広い意味では極端な暑さや寒さ、さらには、地震や津波などの天変地異に対する不安感などもストレス要因ということになります。
普段からストレスを感じすぎてはいませんか。
ストレスが限界に達すると、心身に多くのサインが現れます。
気分の落ち込み、睡眠障害、食欲不振など、これらの変化は放置すると健康を著しく害してしまうかもしれません。
この記事では、ストレスのサインを見逃さず、早期にカウンセリングを受けることの重要性について解説します。
ストレスのことを理解して必要に応じてカウンセリングを検討しましょう。
ストレスが限界に達したときのサイン
ストレスを感じると、感情、身体、行動の各方面にさまざまな変調が現れます。
気分の落ち込みやネガティブ思考、睡眠障害や腹痛などの身体的な症状、飲酒量の増加といった行動の変化など、ストレスの限界に達した際には何かしらのサインが表れます。
ここでは、これらのストレスサインを少しでも早く把握することで、適切に対処できるようになりましょう。
①感情のストレスサイン
日常生活の中で、過剰なストレスにさらされてしまうと、脳内のセルフコントロールの機能が低下して、感情が不安定になるものです。
よくある症状としては、イライラが増す、怒りっぽくなる、パニくる、過敏になる、などの行き過ぎた傾向が出てしまうことです。
或いは、落ち込みがひどくなる、涙もろくなる、気力が失われる、集中力が低下するなどの退行的な症状がでてしまうこともあります。
いずれの場合も、そのまま放置しておくと、後述するとおり、身体的な症状が生じ、さらに社会生活にも影響が出てしまうものです。
症状が強く出る前に、感情のバランスが少しでも崩れていると感じたならば、その出所となっているストレス要因を具体的に明らかにすることがまず大切です。
②身体のストレスサイン
身体に現れるストレスサインには、睡眠パターンの変化、食欲の変化、頻繁に起こる胃腸の不調、持続する疲労感、さらには頭痛や肩こりなどがあります。
睡眠が十分でないにも関わらず、うまく眠れなかったり…逆に過度に眠ることが増えたり…
また、食欲が極端に低下するか、逆に食べ過ぎることもストレスのサインです。
身体の病気の90%はストレスが関係するといわれます。
大病になる前に、必要以上に我慢するのではなく身体が出しているストレスサインを早めにキャッチし対処することが大切です。
③行動のストレスサイン
行動パターンの変化も、ストレスの限界に達している重要な兆候の1つです。
たとえば、アルコールやタバコの量が増加する、仕事でのミスが目立ち始める、または社会的な活動から距離を置くようになるなどが挙げられます。
逆に以前よりも極端に行動的になった、明るくなった、饒舌になったというのも、要注意です。
自律神経のバランスが崩れて交感神経が過剰に働いているのかもしれません。
行動面に現れた変調をそのままにしておくと、前項で述べたとおり身体的な病気にもつながります。
そして、社会生活や対人関係にも悪影響を及ぼすものなのです。
ストレスが原因で発症する病
先に述べたとおり、身体の病気の90%は何らかのストレスが関係するといわれます。
長期間のストレスは、体調面に深刻な影響を与えるものです。
症状の現れはひとそれぞれですが、主に内臓疾患、脳内物質に関係する精神的な疾患、皮膚の疾患といったかたちで現れることが多いものです。
ここでは、ストレスが原因で発症する可能性のある代表的な病気のいくつかについて詳しく見ていきます。
病気①過敏性腸症候群
過敏性腸症候群(IBS)は、消化器系の機能性障害で、腸の過敏反応が主な特徴です。
患者は繰り返す腹痛、便秘、下痢といった症状に悩まされます。
これらの症状はストレスによって引き起こされることが多く、日常生活の質に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
たとえば、重要な会議の前や公共の場での移動中など、ストレスが増す状況で突然の腹痛が起こり、それが社会生活や仕事に支障をきたすことも珍しくありません。
過敏性腸症候群の治療には、生活習慣の見直し、ストレス管理技術の学習、食事療法が含まれます。
また、症状を緩和するための薬物療法も用いられることがありますが、最も重要なのは、日々のストレスレベルを適切に管理し、心身の健康を維持することです。
この症状には、自律神経の働きが密接に関連しており、心理的なアプローチによって改善が期待できるため、カウンセリングが推奨されることも多いのです。
病気②うつ病
うつ病は、持続的な悲しみや無力感、興味や喜びの喪失が特徴で、うつ病の明確なメカニズムはまだ十分には分かっていませんが、多かれ少なかれ、ストレスが関与していることは間違いありません。
この疾患は、ストレスによって引き起こされる脳内の神経伝達物質の不均衡が一因となっております。
うつ病の主な症状には、持続的な落ち込み、食欲不振、過度の疲労、不眠または過眠、集中困難、自己嫌悪や無価値観が含まれます。
これらの症状は社会生活、さらには身体的健康にも影響を及ぼし、自傷行為や自殺のリスクが高まることもあるので注意が必要です。
治療には、カウンセリングや薬物療法、日ごろの生活習慣の調整が推奨されます。
ストレスが引き金となるうつ病は、早期介入とカウンセリングにより改善することが多いため、症状が自覚された場合には迅速に専門家の診断を受けることが重要です。
病気③じんましん
じんましんは、ストレスによって引き起こされやすい皮膚の症状です。
ストレスが原因で自律神経が乱れ、ヒスタミンなどの化学物質が過剰に放出されることが原因で、皮膚に赤みや発疹、強いかゆみが現れます。
心理的な圧力が高まる状況では、突然じんましんが発生することがあり、これは身体が感じるストレスの1つの表れと言えるでしょう。
まずは皮膚科での診断と治療を受けることが必要ですが、さらにストレスが関係している場合は、カウンセリングによってストレス源を特定することが必要です。
適切な治療と生活習慣の改善により、じんましんの繰り返しを防ぎ、生活の質を向上させることができるでしょう。
病気④その他
ストレスが引き起こす症状ついて、かなり具体的に説明しましたが、症状は人それぞれであり体質的に弱い部分に出ることが多いものです。
さらに例をあげますと、
円形脱毛症、緊張型頭痛、慢性腰痛、糖尿や肥満などの生活習慣病、ヘルペスなどのウィルス性疾患…
円形脱毛症は、突然の髪の毛の抜け落ちを特徴とし、ストレスによって自己免疫が異常を来たすことが原因として考えられます。
緊張型頭痛は、長時間のデスクワークや不適切な姿勢による筋肉の緊張が主な原因で、これが慢性化すると日常生活に支障をきたします。
慢性腰痛はストレスによる筋肉の緊張や姿勢の悪化が関連しており、これらが慢性的な痛みを引き起こすことがあるので注意が必要です。
ストレスによって内分泌や消化器の機能が低下すると、糖尿、肥満、高血圧などさまざまな生活習慣病にもつながります。
急性胃腸炎は、ストレスが胃酸の過剰分泌を引き起こすことから起きるものです。
過剰なストレスがかかると、ホルモンのバランスが崩れ、免疫力も低下してしまい、風邪やウィルス性の疾患にも罹患しやすくなります。
病院での早めの診察とともに、カウンセリングによってストレス要因に気が付くことで、身体的な症状を緩和することが可能です。
簡単ストレスチェック
自分のストレスレベルを知るための簡単な方法として、「余力チェック」が有効です。
このチェックは、日々の活動後の残されたエネルギーの量を感じ取り、それをパーセンテージで表すことにより、ストレスの度合いを可視化します。
たとえば、1日の終わりに「今日は疲れて何もする気力がない、0%」と感じる日が続くなら、それは高いストレスを示しています。
逆に、「今日はまだ何か活動できる、60%」と感じるなら、比較的ストレスは低いと考えられるでしょう。
このシンプルな自己評価を通じて、ストレスが蓄積していないか定期的にチェックし、必要に応じてリラクゼーションやカウンセリングを検討しましょう。
※もっとも、ストレスは自分では自覚することができないことも多いのです。最終項の「現代人のストレスはかなり根深い」を参照下さい。
自分の身体からのメッセージを聴く
感情が不安定になり、少しでも身体の症状が出たりしたら、自分自身と会話することが大切です。
あなたの心と体は何かのメッセージを伝えようとしているかもしれません。
今、違和感や痛みを覚えているところがあれば、その体の部分に手をあてて「どうしたの?」と声をかけると、もう無理しないで…自分を偽らないで…本当にやりたいことは何…なんとなくであっても、体からのメッセージを聞こえてくるものです。
そのうえで例えば以下のような対策も必要かもしません。
対策①日を浴びる
日光を浴びることは、心身の健康にとって大切です。
日光にはセロトニンの分泌を促進する効果があり、これにより気分が明るくなり、全体的な幸福感が向上します。
朝の光を浴びることは、体内時計をリセットし、1日のリズムを整えるのに役立ちます。
また、ビタミンDの生成を助け、骨の健康を支えるなど、日光浴はメリットが多いです。
外に出て、少なくとも10〜15分、穏やかな日光の下で散歩するだけでも、ストレスの軽減につながります。
対策②身体を動かす
適度な運動はストレス解消に効果的です。
運動によってエンドルフィンが分泌され、これが気分向上物質として働きます。
たとえば、ウォーキング、ジョギング、サイクリングは誰にでも始めやすく、ストレスケアに有効です。
運動はまた、睡眠の質を向上させることも知られており、日々の疲れを癒し、よりリラックスした状態を促します。
毎日少しずつでも良いので、身体を動かす習慣を身につけましょう。
対策③十分な睡眠をとる
質の良い睡眠は、ストレス管理の基本です。
睡眠不足はストレス耐性を下げ、感情のコントロールを困難にしてしまうものです。
一晩に7〜9時間の睡眠を心がけ、寝る前の一時間はデジタルデバイスの使用を避けることで、睡眠の質を高めることができるでしょう。
また、寝室を快適で静かな空間に保ち、リラックスできる環境を作ることが、良質な睡眠への第一歩です。
現代人のストレスはかなり根深い
自分でできる簡単なストレス解消法を先に紹介しましたが、複雑な社会で生活する現代人のストレスはかなり根深いものであることが多いものです。
エネルギッシュに働いていた人が突然大病になった…真面目だと思っていた人がなぜか大きな問題を起こした…そのような話を聞いたこともあるのではないでしょうか。
ストレスは当人が自覚していなくても、無意識的に暴走することが結構あるのです。
心療内科などで薬を処方してもらうのもいいでしょうが、なかなか根本的な解決にはならないものです。
少しでもストレスのサインを感じたならば、カウンセリングをお勧め致します。
カウンセラーという第三者が介入することで、当人が自覚していない根源的なストレス要因が明らかになったり、思いがけない解決策が見えてきたりするものなのです。
ストレスケアのために、専門家のサポートを積極的に求めましょう。
心理相談室セラペイアでは、ストレスが関係するさまざまな心身のお悩みを改善させるためのカウンセリングを行っています。あなたのお話を聞かせて下さい。
大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!
いかがでしたでしょうか。ストレスが原因で発生するさまざまな心身の問題は、適切なカウンセリングにより改善することが可能です。ストレスの限界サインを見逃さず、心のサイン、感情、身体症状、行動変化を正しく理解することが大切です。カウンセリングは、これらの問題を解決し、日々の生活の質を向上させる手助けとなるでしょう。