「人間不信はカウンセリングで治る?」
「人間不信になる原因が知りたい」
「人間不信で現れる症状は?」
ストレスが溢れる現代社会、誰もが聞いたことあるであろう「人間不信」という言葉も、心理学的知見から語ることができます。
本記事では、人間不信の原因から対処法、人間不信に陥っている人の特徴などを解説していきます。
人間不信に悩む方やカウンセリングを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
人間不信とは
治安の良い日本でも日々様々な事件が起きるものです。
外国ではさらに多くの犯罪や差別があり、また残酷な戦争が続いています。
「人を見たらと泥棒と思え」という言葉も一理あるでしょう。
自らの生活を守るために、時には相手を疑い、臨機応変に相手に合わせて適度に距離を保つ必要があるのです。
しかしながら、幼少期に親から虐待を受けたり、過去に信用していた人にひどく裏切られたりすると、それが原因で人間に対して極端な不信感を抱いてしまいます。
現代社会は、ネット環境の飛躍的な発展によって、あまり人と関わらないでも生きていける時代となりました。
それでも、人間は本来、人との触れ合いを本能的に求めている存在であることには変わりありません。
人間嫌いに陥り、社会的に孤立することで、寂しさや怒りを感じている人も多いと思います。
極端な人間不信によって生じる「生きづらさ」は、鬱や不安障害などの心の病にもつながるものです。
人間不信になる原因
人間不信になる原因は何でしょうか。
基本的には以下の4つのどれかに該当します。
- 大切な人に裏切られたことがある
- いじめられた経験がある
- 家庭環境が良くなかった
- 争乱や犯罪に巻き込まれたことがある
それぞれ解説していきます。
大切な人に裏切られたことがある
恋人や仕事などで信用していた人に裏切られたことがあると、人間そのものに対する不信感が生まれ、他の人や組織などにも必要以上に警戒心を持つことがあります。
社会生活の中で、相手に対して自己開示して、良き信頼関係を築くことができずに、孤立してしまうことになります。
いじめられた経験がある
子供の頃にいじめられた経験があると、人間関係において安心感や信頼感を失い、周囲の人間に敵意や攻撃性を向けるようになることがあります。
また、いじめられた経験がトラウマとなって、鬱などの心の病になったり、反社会的な行為を引き起こすこともあります。
家庭環境が良くなかった
両親の仲が良くなかった、DVを見ていた、虐待、暴言、ネグレクトを受けた…
家庭環境が良くなかった場合、疑い深い性格が形成されてしまい、社会生活での人間関係においても警戒心や敵意を持つようになることがあります。
争乱や犯罪に巻き込まれたことがある
今でも世界では、戦争や人種差別による虐殺や拷問といったことが行われております。誘拐事件による拉致監禁といったことは日本でも起きうることです。
何らかの人災によって、人間の残酷な面、汚れた面を見せつけられると、それが強烈なトラウマとなり、人間に対する根源的な不信感になるのです。
人間不信で現れる症状
次に、人間不信に陥った際に現れる症状について解説します。
人間不信が高じると、以下のような状態へと悪化することが予想されます。
- うつ病
- 境界性パーソナリティ障害
- 反社会性パーソナリティ障害
- アルコールなどの依存症
- 不安障害
それぞれ見ていきましょう。
うつ病
過去に人間関係で傷つき、人間不信に陥ると、憂鬱な気分に支配されて、表情も乏しくなってしまう場合があります。
何をやっても楽しくない、死にたい、不眠、イライラなどうつ症状が出てくるのです。
うつは形を変えて、腰痛や肩こり、胃腸障害などの身体症状を呈する場合もあります。
境界性パーソナリティ障害
幼少期の母親との関係が不健全なものであった場合、「見捨てられ不安」という感情が心の深いところに形成されてしまいます。表面的には明るく、社交的に振る舞っていても、心の根底に「見捨てられ不安」があると、些細なことが原因でイライラ感が爆発してしまうことがあるのです。
人間は誰しも良い面もあるし、悪い面もあるグレーな存在なのです。
しかし、境界性パーソナリティ障害の人は、相手を白か黒か、信じられる人か信じられない人かという二者択一で見てしまうために、人間関係のトラブルが絶えません。
医学的に十分に解明されているわけではありませんが、おおよそのところ上記のような人が境界性パーソナリティ障害と呼ばれていて、比較的女性に多いとされています。
反社会性パーソナリティ障害
幼少期の家庭環境が悪く、虐待や差別を経験したりすると、自分はこの世の中に歓迎されていないという思い込みが強まり、社会に対する復讐心が生まれます。
反社会的勢力の人たち、刑務所暮らしをしているような人たちに多いのが反社会性パーソナリティ障害です。
サイコパスと呼ばれている人たちも反社会性パーソナル障害のカテゴリーに入ります。
サイコパスとは、かなり曖昧な言葉ではありますが、「良心がない冷酷な人」をさします。
そのような人は犯罪者ばかりではありません。
情け容赦なくリストラや社会の改革を断行できるような“有能な”経営者や政治家にもサイコパスの人が多いといわれます。
アルコールなどの依存症
アルコールや薬物などの依存症も、実は根底にあるのは幼少期のトラウマであり、お母さんのオッパイが吸えなかったので、アルコールや薬物という代用品で満たそうとする代償行為なのです。
自分はお母さんに大切にされなかったという根源的な人間不信があるために、大人になってからも対人関係がうまく行かず、自己中心的な思いが強まり、周囲の人たちを支配しようとします。
不安障害
人間不信の感情があると、対人関係での恐怖、社会全般に対する恐怖といった不安障害の症状が出やすくなります。
男性が怖い、女性が怖い…
個人的に会うのはいいが、数人のグループは嫌だ…
或いは形を変えて蜘蛛が怖いとか…
様々な不安障害の症状によって、社会生活で生きづらさを感じてしまいます。
人間不信の人の特徴
ここからは、人間不信の人の特徴を紹介していきます。
主な特徴は以下の4つです。
- 親しくなると急に突き放す
- 近寄りがたい雰囲気がある
- 人を試すような行動をとる
- 人に対する不平不満が多い
それぞれ見ていきましょう。
親しくなると急に突き放す
人間不信の人の特徴に「親しくなると急に突き放す」というものがあります。
これは、過去に人間関係上で傷ついた経験から、信頼や愛着を築いた相手でも突然裏切られることを恐れるためです。
裏切られることで自分自身が傷つかないように、相手とある程度親しくなると、自己防衛のために突き放してしまうのです。
そのような反応はかなりの部分無意識的なものなので、当人も「なぜか自分は人と打ち解けることができない」「腹を割って話すことができない」と悩む事が多いのです。
近寄りがたい雰囲気がある
これは、過去に人間関係で傷ついた経験から、周りの人に対して常に警戒心を持っていて、身体的に緊張状態にあるために近づきがたい印象を与えてしまうことが原因です。
また、コミュニケーション能力に自信がないために、人との関わりを無意識に避けるようにしている可能性も考えられます。
人を試すような行動をとる
人間不信の人の特徴のひとつに「人を試すような行動をとる」というものがあります。
心の中に「見捨てられ不安」があると、「私は本当に愛されているのか」「相手は私を裏切らないのか」ということがとても気になるのです。
仮病を使ったり、無理な要求をしたりして、相手がどう反応するかを伺い、相手の真意や本音を知ろうとするのです。
人に対する不平不満が多い
人間不信の人は、些細なことでも人に不満を持ちやすく、イライラした態度や否定的な意見をすることが多くなります。
また、自分が相手に対して不信感や不安感を持っているため、合わせ鏡を見るように相手もまた自分に対して不信感や不安感を持っているのではないかと思い込むところがあります。
当然のことながら人との良い関係は築けないのです。
人間不信の治療方法
最後に、人間不信の治療方法を解説します。
基本的にはカウンセリングが効果的ですが、より段階的に、以下の4つを紹介します。
- 体をリラックスさせる
- 仲間とシェアする場を見つける
- あなたにとっての神様を見つける
- カウンセリングを受ける
それぞれ確認してください。
体をリラックスさせる
人間不信の思いは、一種の恐怖の感情であり、それはそのまま肉体的な緊張状態になっています。
まずリラックスすることが必要なのです。
自律訓練法やマインドフルネス瞑想などのリラクゼーション技法を試すのは良いことです。
また、音楽を聞く、温泉に入る、マッサージを受ける…
適度にアルコールを嗜む。
たまには少し高くても美味しいものを食べる…
時間を忘れられるような趣味があればそれに打ち込む…
少しでも体がリラックスできるようにしていくと良いのです。
仲間とシェアする場を見つける
自分の問題をシェアできるコミュニケーションの場を見つけることで、人への信頼感が生まれてきます。
先に依存症について触れましたが、依存症者は、同じ悩みをもつ仲間が集まった自助グループの中で自らの内面を秘密厳守というルールのもとでシェアすることで癒やされていきます。
最近は、SNSというかたちで、気軽に自らのことを語る場も増えています。
或いは、趣味でも、スポーツでも、何かのイベントでも「人間ていいなあ!!」という実感がもてる場を見つけることは良いことです。
あなたにとっての神様を見つける
人間は不完全なものです。
ヒューマニズムや理性といったものに過度な信頼を置くことの危うさは、今に至るまでの人間の歴史が証明しているように思います。
依存症の自助グループでの分かち合いの中には、ハイヤーパワーという超自然的な力が働くといわれます。
神様、仏様、サムシング・グレート、宇宙生命、最近ではゼロポイントフィールド…
様々な呼び方がありますが、あなたにとっての拠り所となるような「人間以上の存在」を見つけることが大切かと思います。
健全な宗教観は人間不信を癒やすものなのです。
カウンセリングを受ける
カウンセリングはまず共感が基本です。
つまり、カウンセラーとクライアントの相互交流による信頼関係によって癒やされるのです。
そして、カウンセリングによりセルフセラピーでは扱えない心の深い部分にもアプローチできるのです。
心理相談室セラペイアでは、トラウマ治療に特化したFAPという技法を使い、根本的に円滑な対人関係を妨害しているトラウマを癒やしていきます。
また、絵画療法などにより、あなた自身が気が付いていないタラント、能力を見出すこともできるのです。
自分に自信が持てると、人をも信じることができるものなのです。
心理相談室セラペイアでは、脳科学と東洋医学を統合した「FAP」という技法を中心に、人間不信解消をはじめとした、さまざまな心の問題を治療・改善させるためのカウンセリングを行っています。
大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!