できると思っていたことができなかったり、人前でうまく自分を表現できなかったりすると、自己嫌悪に陥ってしまうことがあるでしょう。
普段から自分が大好き!と思えればそれに越したことはないのですが、「○○な自分が嫌い」と思うこと自体は必ずしも悪いことではありません。
そこからその嫌いな部分をどうやったら克服できるかと模索して、自己成長が始まるからです。
しかし、自分が嫌いという思いが強まりすぎると、生きるのが辛くなってしまい、現状から逃げ出したいと思ったりするでしょう。嫌いの悪循環は自分を苦しめてしまうので、「自分が嫌い」という思いが湧いてきたときの対処策を持っておくといいものです。
そこで本記事では「自分が嫌い」と感じる方の特徴、症状や治療法について詳しくご紹介します。
自分が嫌いだと感じる人の特徴
まずは自分が嫌いだと感じる方の特徴について挙げていきます。
心理的なトラウマがある
自分が嫌いだと感じてしまう理由の一つとして挙げられるのが「心理的トラウマ」です。
例えば過去に友達から自分のことを否定されたことがあったり、誰かからの態度や言葉で傷ついた経験があったりすると、それが心理的なトラウマにつながり、「私ってダメなんだ…。」につながることが考えられます。
言った相手にとっては大したことない一言でも、言われた方にとってそれはいつまでも心に残る一言だったりするのです。
こちらの記事ではトラウマとはそもそもどのようなものなのか詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
参考記事:トラウマによる心の傷はカウンセリングで克服できる?
完璧主義である
自分が嫌いと思う方の中でも意外と多いのが、完璧主義な方。
自分の中で思う理想像がとても高いがために、それに達していない自分に対して不満を覚えるようになります。
人間に完璧な人などいません。ミスをすることもあれば、計画通りに事が進まないことだってあるでしょう。
完璧でいたいと思うことは決して悪いことではないのですが、完璧主義が時として自分を追い込んでしまっていることもあるのです。
他人と比べる
自分と他人を常に比べてしまう方や他人の目が気になる方は、自分嫌いになりやすい傾向があります。
相手にコンプレックスを感じてしまい、自分の意見を主張できなかったり、自分の悪い点ばかりに目がいってしまったりするからです。
例えばSNSで同世代の友達が賑やかな写真で自己アピールをしていたりすると何か不快な気持ちになったり、「自分は人よりも劣っているんだ」と勘違いしたりする…
情報が氾濫し、他人の生活が見えてしまう時代だからこそ、自分が嫌いと思ってしまう場面が増えているのかもしれません。
自分が嫌いだと感じる場面
自分が嫌いだと感じる場面を例に挙げるのであれば下記のようなものです。
- ライバルと比べて仕事ができない自分が嫌いだ
- 意見をはっきり言えない自分が嫌いだ
- ネガティブ思考で暗い自分が嫌いだ
- 自分の容姿や声が嫌いだ
上記以外にも自分が嫌いだと感じる場面は様々にあるでしょう。
意識レベルでは自覚できなくても、仕事や学校、家庭の中での人間関係の中でモヤモヤ、イライラしたり…
そんなときにも自己嫌悪の感情が潜在していたりするものなのです。
自分が嫌いだと否定し続けることで、うつ状態になり、行動意欲も失われていくのです。
だからこそ後述する対処法を試してみてくださいね。
自分が嫌いと感じた時の対処法
ここからは自分が嫌いだと感じたときの対処法についてご紹介します。
自分の体をいたわり、リラクゼーションを心がける
自分が嫌いだと感じるとき、どうして自分は…という自分を責める気持ちが湧いてきてしまいます。
生活が不規則になり、次第に暴飲暴食や自傷行為などにもなりかねません。
まずは自分自身の体を労ることが大切です。
自分の胸や気になるところに手を当てて「いろいろあるけれど、よくやっているね。ありがとう。」と言葉をかけてあげで下さい。
自分の好きな趣味に没頭する時間をもったり、マッサージを受けたり、良い音楽を聞いたりするのも良いことです。
頭の中だけでアレコレ考えて煮詰まった状況の中で自分を責めていても、何も良いものは生まれません。
体が緩むと、フッと良いアイデアが浮かんできたり、何か楽しくなったりするものです。
自分の短所が実は長所であることに気がつく
数年前にアドラー心理学の本がブームになりましたが、アドラー自身、自分は白人男性でありながら、身長が低い(155センチ)というコンプレックスをもっていました。
しかしあるとき、低身長である自分が、人々の中に入るとその場の雰囲気が和やかなものになり、心理療法がやりやすくなることに気がつきました。
アドラーは自分が短所と思っていたことが、実は自分の長所であるととらえて、その長所を用いてどんどん行動していこうと考えるようになったのです。
あなたが嫌いなところというのは、少し見方変えると、あなたが気づいていない潜在的な長所であり、タラントかもしれないのです。
例えば、
<あなたの短所 → あなたの潜在的な長所>
人に対してNOと言えない → 平和主義 いろいろな人とうまくやっていける
過去にとらわれる → 物事を根本的に解決していこうとする
優柔不断 → 慎重に物事を判断する
集中力がない → 一つのものにのめりこまない バランス感覚がある
臆病 → 用心深い
暗い → 表面的な明るさではなく内面の光を求める
セルフイメージが低い → 謙虚である 自己内省が強い
口下手 → 聴き上手
感受性が鈍い → 鈍感力がある 細部にとらわれず全体を見渡すことかできる
葛藤を起こしやすい → 物事の両面を把握して全体的にとらえる
勘違いが多い → 発想が豊か
意地を張る → 信念が強い
短気 → 時間を有効に使う
嫉妬する → あの人ができたのだから私もできるという向上心がある
イライラする → 怒りを意識化することで鬱になることを防いでいる
おしゃべり → 情報発信力がある
まだまだいろいろとあるでしょう。
別の角度から物事を観ていく(リフレーミング)と結構楽になったりするものです。
悪いことを考えるときは視野が狭くなりがちなので、幅広い視点と広い視野を持つことを心がけてくださいね。
カウンセリングを受ける
上記のようなアプローチは、自分自身に対する認知を修正することにより、行動的になれるという一つのセルフセラピーなのです。
もっとも、自分自身のことはなかなか自分では分からない面があるのです。
自分の顔を直接見ることはできませんよね。
鏡に写っている姿は一つの虚像にすぎません。
専門のカウンセラーからのカウンセリングを受けることにより、自分自身では気づかなかった長所やタラントが見えてきたりします。
また、自分が嫌いという思いの背景にあるトラウマにもフォーカスが当てられて、深い癒やしを体験することもできます。
もし自分が嫌いだと思うことをやめられないのであれば、一度カウンセリングを受けるのもおすすめです。
カウンセリングは秘密厳守の中であなたの内面に寄り添います。
「自分が嫌い」は優しいあなたの証拠
自分が嫌いと思うあなたは、決して弱いのではなく、自分自身に誠実で頑張りすぎているからです。
もっとできるはず、もっと頑張れるはず、の積み重ねが時として自分を追い込んでいることもあります。
自分が嫌いだなと思うキッカケは人それぞれですが、そんなときはちょっと自分に優しくしてあげることも大切なのです。
もしも周りに相談できる人がいないときは、迷わず気軽にカウンセリングを受けてみましょう。