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モラハラはカウンセリングで治る?モラルハラスメントの該当行為と加害者の特徴

パートナーからモラハラを受けて、つらい気持ちを抱えていませんか?

 

もしくは、ご自身でついモラハラをはたらいてしまい、そんな自分を変えたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

どちらのお悩みも、カウンセリングを受けることで改善が見込めるかもしれません。

 

そこで本記事では、モラハラの特徴とともに、カウンセリングによる効果を解説します。

 

パートナーからのモラハラ被害、あるいはパートナーへのモラハラ加害にお悩みの方は、ご一読ください。

 

モラハラとは?

モラハラとは、モラル・ハラスメントの略で、暴言や冷たい態度などによって相手の心を傷つけ、相手をコントロールする行為のことを指します。

 

たとえば以下のような行為はモラハラに該当します。

 

モラハラに該当する行為の一例

  • 暴言を吐く
  • 嫌味を言う
  • にらみつける
  • 嫌がらせをする
  • 無視をする
  • 不機嫌にふるまう

 

上記以外の行為でも、被害者が精神的なダメージを受けている場合はモラハラだといえます。

 

そもそも「モラル」とは道徳や倫理といった意味をもつ言葉で、「ハラスメント」は人を困らせる行為のことです。

 

モラハラに該当する行為は道徳的に人を困らせる行為であるため、このように呼ばれています。

 

なお、モラハラは夫婦や親子、職場や学校といったさまざまな場で起こり得るものです。

パワハラとの違い

パワハラとはパワーハラスメントの略で「上司から部下」「先輩から後輩」「社員からパート」というように、優位な立場にある人が、自分より弱い立場の人に対する行き過ぎた指導のことを言います。

 

モラハラと混同されることも多いのですが、大よその違いは大きく分けて2つあげることができ、まずハラスメントがおこなわれる場所です。

 

パワハラは職場や学校など、立場が分かりやすい場所でおこなわれるのに対し、モラハラは家庭内や友人間など閉鎖的な空間でおこなわれがちです。

 

もう一つは、暴力があるかどうかです。

 

パワハラの6つの類型では身体的侵害・精神的侵害・人間関係からの切り離し・過大な要求・過小な要求・個の侵害とあるように、身体的な暴力が含まれています(参照:厚生労働省 パワハラ6類型)。

 

一方、モラハラは言葉の暴力です。

 

そのため、モラハラはパワハラに比べて、閉鎖的で身体的な傷がないために被害が表面化しづらい傾向にあります。

 

モラハラに該当する行為4選

モラハラの概要がわかったところで、具体的なモラハラに該当する行為を解説します。
一般的には、以下の4つが挙げられます。

  • パートナーを下に見る
  • 簡単な過ちを強く攻める
  • 束縛が激しい
  • 無視をする

それぞれ解説していきます。

パートナーを下に見る

パートナーを下に見る行為、具体的には「これをやれ!」といった命令的な言い方でパートナーに指図したり、容姿や能力について侮辱し、嘲笑したりすることが挙げられます。

 

モラハラは相手をコントロールしようとする意図があるため、被害者は自尊心を失い、鬱などの深刻な精神疾患に陥ることがあります。

簡単な過ちを強く攻める

簡単な過ちを強く攻める行為は、相手を精神的に攻撃し、自尊心を傷つけるものです。

 

さらに、相手が同じ過ちを犯すことを防ぐために、相手をコントロールしようとすることもあります。

 

モラハラ被害者は、また何か言われてしまうのではないかと精神的なプレッシャーを感じてしまいます。

束縛が激しい

束縛とは、パートナーに対し過剰なコントロールや監視を課す行為のことを指します。

 

GPSでの位置追跡や携帯の確認などが該当します。

 

このような行為は相手を自由に生きさせず、自尊心を傷つけるため、モラハラとして問題視されます。

無視をする

最後に挙げるのは、パートナーとのコミュニケーションを避けることで、相手を無視する行為です。

 

これにより、パートナーは人間として認められていないと感じ、孤独感や鬱に陥ってしまいます。

 

無視をすることは「沈黙の暴力」とも呼ばれます。

モラハラをしてしまう人に多い特徴5選

次に、モラハラをしてしまう人に多い特徴を5つ紹介します。
もちろん、これらに当てはまるからといって、必ずモラハラするとは限らないため注意です。

  • 自分に自信がない
  • 幼少期に親からモラハラを受けていた
  • 親が過保護だった
  • 人に裏切られた経験がある

それぞれ解説していきます。

自分に自信がない

モラハラをしてしまう人に多いのが、自分に自信がないという特徴です。

 

そのため、自分自身の不安や劣等感を相手にぶつけ、相手をコントロールしようとする傾向があります。

 

相手をコントロールすることとで、自分は人の上に立っているという虚しい優越感が生まれ、一時的に何か自信がもてたような気分になるのです。

相手を思い通りに動かしたい

モラハラする人は相手の行動を自分の思い通りに動かしたいと思っています。

 

しかし、人の行動をそう簡単にコントロールすることはできません。

 

そのため、思い通りにいかなかったときには裏切られたと感じ、脅したり責め立てたりして、どうにか自分の思い通りに人を動かそうとします

 

つねに自分が優位に立ち、相手を支配下において置かないと気が済まないのです。

幼少期に親からモラハラを受けていた

モラハラをしてしまう人に多い特徴のひとつが、幼少期に親からモラハラを受けていたことです。

 

そのため、自己肯定感や自尊心が低く、不安や孤独感に悩まされる傾向があります。

 

また、受けたモラハラを「当たり前」と思ってしまい、自分自身も同じような行動に出てしまう傾向があります。

 

幼少期にモラハラの被害者であった人は、年をとるとモラハラの加害者になることが多いのです。

親が過保護だった

モラハラをしてしまう人に多い特徴として、親から過保護に育てられた場合も多いものです。
親が過保護になりすぎると子どもが自立することができず、自信を持って行動することが難しくなります。

 

そのため、大人になっても他者との関係で自分の立場をうまく主張できず、モラハラというかたちで歪んだ自己主張がなされてしまうのです。

人に裏切られた経験がある

モラハラをしてしまう人に多い特徴のひとつが、過去に人に裏切られた経験があることです。
裏切られた経験は大きなトラウマとなり、相手を完全に信頼できなくなります。
そればかりではなく、恨みや復讐心も生まれます。
そのため、モラハラによって怒りを発散させ、相手をコントロールしようとするのです。

モラハラを受けやすい方の特徴

逆に、モラハラを受けやすいのはどういった人でしょうか。
その特徴として、一般的に以下の4つが挙げられます。

  • 罪悪感を感じやすい
  • 自己肯定感が低い
  • 自己犠牲の考え方が強い
  • 自分の意見を言うことが苦手

それぞれ解説していきます。

罪悪感を感じやすい

モラハラを受けやすい方の特徴のひとつが、罪悪感を感じやすいことです。
自分が悪いと思い込み、自分を責めたり他者に対して申し訳なく思ったりするため、相手に言われた批判や攻撃をそのまま受け止めてしまうのです。

自己肯定感が低い

モラハラを受けやすい方の特徴のひとつは、自己肯定感が低く自分に自信を持てないことです。
自分自身に対して否定的な考え方を持ち、自分に自信を持てず自分の価値を見出せないため、モラハラを受けても正当な自己主張ができない傾向があります。

自己犠牲の考え方が強い

モラハラを受けやすい方の特徴のひとつは、自己犠牲の考え方が強く、相手を優先して自分の気持ちや欲求を抑えがちであることです。
自分を犠牲にし、相手を満足させようとする傾向があるため、必要以上に相手に合わせてしまい、結果としてコントロールされてしまうのです。

自分の意見を言うことが苦手

モラハラを受けやすい方の特徴のひとつは、自分の意見をいうことが苦手であることです。
自分の主張や欲求を表明することに不安を感じ、曖昧な態度で物事を処理しようとする傾向があります。
その結果、相手による抑圧や支配を受けやすくなります。

 

夫婦のモラハラでよくみられる光景

モラハラはさまざまな関係性のなかで起こるものですが、特に夫婦間のモラハラで多くの方が悩んでいらっしゃいます。

 

もしかすると、「モラハラは男性(夫)が女性(妻)に行うものだ」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、必ずしも性別によって加害者が決まるわけではなく、夫が妻にモラハラをはたらくというケースもあれば、妻が夫にはたらくというケースも数多く存在するのです。

 

たとえば、夫から妻に対するモラハラでは、妻の容姿や家事の出来などを極端に貶めたり、妻が専業主婦の場合は妻が稼いでいないことをなじったりすることがあります。

 

反対に、妻から夫に対するモラハラでは、子どもに夫の悪口を吹き込んで一緒に夫を無視したり、夫の収入に文句を言ったりすることなどが挙げられます。

 

このように、「妻だから」「夫だから」といった理由でモラハラの加害者が決まるわけではなく、妻と夫どちらでも加害者になる可能性はあるということです。

 

モラハラのトラブルにカウンセリングは効果的なのか?

「相手とともに根本的な考え方を見つめ直して、なんとか関係を修復したい」

「相手に対してモラハラ的な言動がつい出てしまい、後になって反省する」

「モラハラを受けて心が傷ついて、毎日がつらい」

etc.

 

このようにお考えの場合は、カウンセリングを受けることをおすすめします。

 

ここからは、モラハラの加害者と被害者がともにカウンセリングを受ける場合と、加害者、被害者がそれぞれ一人で受ける場合に分けて、具体的にカウンセリングの内容を解説します。

 

モラハラの加害者と被害者が一緒にカウンセリングを受ける場合

モラハラが起きているという状況に被害者のみならず加害者も問題を感じており、両人とともに関係を修復したいということであれば、カップルカウンセリングを受けることをおすすめします。

 

カウンセラーという第三者が間に入ることで、夫婦関係の問題点やすれ違いなどに対して、客観的なコメントをもらい、お互いの改善点を見つけることができます

 

さらに、心理相談セラペイアでは、加害者、被害者の両者に対して、下記に述べるような独自のセラピーにより、根本的なモラハラ問題の解決にアプローチしてまいります。

 

モラハラの被害者一人がカウンセリングを受ける場合

先に述べたとおり、モラハラの被害者には、セルフイメージが低い、自己表現が不得手といった特徴があります。

 

心理相談室セラペイアでは、ご自身の生育歴を伺ったうえで、FAP(Free From Anxiety Program不安からの解放のプログラム)というトラウマ治療に特化したセラピーを行います。

 

トラウマは無意識的なものであり、思いがけないような過去の出来事がモラハラの被害者になってしまう原因として表面化したりします。

 

絵画療法などを含めて、ご自身の本音を表現できるようにサポートしてまいります。

 

プロのカウンセラーが介入することで、モラハラ問題で悩んでいる方のより良い生活の支えをいたします。

 

加害者がカウンセリングの同行に同意を示さない場合は、無理に連れて行こうとすると余計に関係が悪化し、被害者がつらい思いをしてしまう可能性があります。

 

そのため、被害者だけでカウンセリングを受けることがお勧めです。

 

また、FAP療法は対人恐怖症にも効果的な治療法です。こちらの記事では、対人恐怖症について解説していますのであわせてご覧ください。

参考記事:対人恐怖症はカウンセリングで克服できるのか?

 

モラハラの加害者一人がカウンセリングを受ける場合

モラハラの加害者が自らの言動をなんとか改善しようという自覚があるならば、カウンセリングによって回復は十分に見込めます。

 

先にも述べたとおり、加害者はこれまでにモラハラの被害者であった場合もあり、生きづらさを感じていることが多いのです。

 

心理相談室セラペイアでは、ご自身の生育歴を伺ったうえで、FAP(Free From Anxiety Program)というトラウマ治療に特化したセラピーを行います。

 

また、カウンセラーが客観的に当人の長所や隠れた才能を伝えることで、健全なプライドが生まれ、モラハラ行為は消失していきます

 

カウンセリングを受けることでモラハラ問題を根本的に改善することができる

今回は、モラハラの概要とともに、モラハラでお悩みの方がカウンセリングを受けることの有効性についても解説しました。

 

モラハラは、最終的には加害者にとっても被害者にとっても不幸な結果を生み出してしまうでしょう。

 

根本的な改善のためには、カウンセリングによってそれぞれの成育歴の問題にフォーカスし、健全なセルフイメージをもつことがとても有効なのです。

 

ついモラハラを行ってしまうという方や、モラハラの被害でお困りの方は、心理相談室セラペイアまでご相談ください。

 

独自のカウンセリング技法を用い、本来のあなたらしさを取り戻すためのサポートを行います。

大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!

 

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