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トラウマによる心の傷はカウンセリングで克服できる?

過去の出来事がトラウマとなり、毎日ふとしたことがきっかけで思い出して、つらい気持ちになってしまっていませんか?

そのつらい気持ちは、カウンセリングを受けることで解決の糸口が見つかるかもしれません。

 

この記事では、トラウマとはそもそもどのようなものなのか、カウンセリングではどのように解決に導けるのかということを解説します。

過去のつらい記憶でお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。

 

トラウマとは

トラウマとは、「心的外傷」を意味します。

 

トラウマは、その人の生育歴の中で、死を感じるほどの恐怖や、人としての尊厳を大きく損なわれて無力感を覚えるような大きな出来事に直面したときに体験する「心の傷」だとされています。

もっとも、客観的にそれほど大きな出来事はなくとも、日々の対人関係の中で、多かれ少なかれ私たちは「心の傷」を負っているものです。

 

人間の心とは?

そもそも人間の心とは何か、ということについては、未だに明確な定義はありませんが、脳を中心とした生理反応として心をとらえるのが妥当でしょう。

脳科学の世界では、脳内物質と感情との関係が少しずつ解明されつつあり、さらに腸内環境やホルモンバランスが心の健康と密接に結びついていることが分かってきています。

つまり、トラウマ(心の傷)について考えるときには、身体的、生理的反応も含めて考えると分かりやすいのです。

 

トラウマが原因で起こるPTSDとは?

人間は強いストレスを感じると、「なかなか眠れない」「体か震える」「心臓がドキドキする」「胃が痛む」といった身体反応が起こり、さらには「いつもできていることができない」「怖いものを見ても恐怖を感じない」といった心理的な防衛反応が起こることがあります。

 

通常ならばこれらの症状は数時間~数日間程度で消えるものですが、あまりにも強いストレスを脳が受け取ると、数週間経っても症状が残り続けてしまうのです。

1ヵ月以上経っても、身体反応や防衛反応が消失せずに、日常生活に支障をきたしている状態をPTSD( Post Traumatic Stress Disorder心的外傷後ストレス症候群)と呼んでいます。

ただ、同程度のストレスを受けても、PTSDになる人もいるし、ならない人もいます。

PTSDの原因としては、外的なストレス要因だけではなく、当人の性格、体質、ストレス耐性などの要因も考えられます。

さらに、PTSDとまでいかなくとも、なんとなく生きづらい、身体検査では特に異常はないが、心身の調子がすぐれないといった状態が継続する場合にも、トラウマが関与していることが考えられます。

 

PTSDを引き起こすトラウマの原因は?

PTSDを発症するようなトラウマの原因は、自身の許容値を超えたストレスフルな体験です。

 

具体的に以下のような体験はトラウマとなり、PTSDにつながることが考えられます。

 

PTSDとなるトラウマの原因の例

  • 戦争
  • 自然災害
  • 事件・事故
  • 犯罪被害
  • 虐待
  • 身近な人の死亡
  • ハラスメントの被害
  • いじめ
  • 侮辱
  • 性被害

 

また、自分自身が上記のような体験をした場合に限らず、第三者が体験している様子を目撃した場合もトラウマとなり得ます。

たとえば、目の前で殺人事件を目撃してしまった場合などは、その出来事が記憶に強く定着し、PTSDを発症してしまう可能性が十分に考えられます。

さらに、感受性の強い人は、他の人からすると些細な出来事であっても、心に大きなダメージを受けて、PTSDの症状を呈することがあります。

「DV」による恐怖感もトラウマとして残る原因のひとつです。
こちらの記事ではDVの具体的な特徴、原因について詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
参考記事:DVの解消にカウンセリングは効果的?特徴や原因も詳しく解説!

 

PTSDの症状

PTSDによって引き起こされる代表的な症状の一つに「フラッシュバック」とよばれるものがあります。

フラッシュバックとは、過去のつらい記憶が日常生活のなかで急によみがえり、その体験をした当時と同じような気持ちになってしまう状態のことをいいます。

トラウマの原因となった出来事から、数か月あるいは数年単位で時間が経っているにもかかわらず、まるで今全く同じ体験をしているかのように鮮明に記憶が呼び起こされるのです。

 

PTSDには、フラッシュパック以外にも以下のような症状があります。

PTSDの症状

  • 常に緊張が張りつめてイライラしている
  • ぐっすり眠ることができない状態が続く
  • 自分自身の感情が実感できなくなる

 

また、PTSDは単体で発症するだけでなく、PTSDがきっかけで不安障害やうつ病といった、ほかの精神疾患も合併症として発症するというケースも多くみられます。

 

こんな症状はPTSDなのかも

PTSDは、はっきり覚えていないような幼少期のトラウマによって引き起こされることもあります。

悪夢に悩まされたり、原因不明の緊張感が長年続いたりして、当人自身もなぜこんなに苦しいのか分からずに悩み続けることもあるのです。

先に触れたフラッシュバックなどの症状について、さらに具体的に一つずつ確認していきましょう。

 

症状①突発的につらい記憶がよみがえる(フラッシュバック)

トラウマとなる記憶が急によみがえる、いわゆる「フラッシュバック」はPTSDの代表的な症状です。

トラウマの原因となる出来事やそれに関連する物事にかかわることによって、その体験が引き金となり、連鎖的につらい記憶がフラッシュバックします。

 

ただ記憶を思い出すだけではなく、再びその出来事を実際に体験しているかのような感覚に陥り、当時と全く同じ感情になってしまうという場合もあります。

それによって、急に涙が出てしまったり、挙動不審な言動をとったりしてしまうことがあるため、周囲からは突発的な行動をとっているように見えることもあるでしょう。

 

症状②常に神経質になってしまう

PTSDによって常に恐怖と隣り合わせの日々を送ることになるため、神経が張り詰めて常に緊張しているような状態になってしまうという症状もあります。

 

そのために、些細なことですぐにイライラして怒りっぽくなったり、小さな音に驚いたりしてしまう状態になることがあります。

また、夜に眠れない、悪夢に悩まされる、朝起きたときにも疲労感を感じるなどと訴える人も多いのです。

 

症状③無意識に行動を制限してしまう

フラッシュバックは、いつどこでどんなことがきっかけで起こるのか、それは本人にも分からないことが多いです。

日常的にかかわる物事や、人との会話で登場する断片的な言葉など、些細なことでも頭の中でトラウマと結びついてしまうことが大いにあるためです。

 

PTSDを発症すると、トラウマと少しでも関連性があるような場所や出来事、人などを避けるようになってしまいます。

とはいえ、フラッシュバックの要因は日常のあらゆる場所に潜んでいるものです。

そのため、フラッシュバックを避けるためにトラウマのあらゆる要因から距離を置こうとすることで、日常生活が極度に消極的なものになってしまうことがあるのです。

 

症状④感情・感覚が麻痺状態になる

PTSDを発症すると、それまでは問題なく感じられていた感情や感覚が麻痺し、心があまり動かなくなってしまうこともあります。

具体的には、自分の身体が自分のものとして感じられなくなる、これまで愛しいと思っていた相手に対する愛情が感じられなくなってしまうといったことが挙げられます。

自分自身に起きた辛い経験を認められずに、自分自身からその記憶を切り離そうとして起こる、解離症状と呼ばれる状況です。

 

カウンセリングによるトラウマの克服は可能?

カウンセリングを受けることは、トラウマからの解放のために非常に有効なものです。

トラウマのカウンセリング治療について、以下にまとめました。

こちらの記事ではカウンセリングがもたらす効果について詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
参考記事:カウンセリングとは? 受ける際の流れやメリットについて解説

 

トラウマに対するカウンセリングなどの支援が適切なタイミング

トラウマとなった出来事の内容によっては、今現在、日常生活の安全性や衣食住の確保すらもままならないといった状況になっていることもあるでしょう。

また、事件や事故に巻き込まれて怪我をしているという場合もあり得ます。

そのような場合は、まず安全な環境での衣食住を確保し、また怪我は医療機関で適切な治療を受けることを優先していきます。

ケースバイケースではありますが、基本的にはこれらの基盤が整ってから心理カウンセリングを受けることをお勧めします。

参考記事:深刻な心の問題を抱えている人にカウンセリングが必要な理由

 

トラウマのカウンセリングでは具体的に何をする?

トラウマを解消してPTSDを癒すために、トラウマの場面や記憶に意図的に直面させるエクスポージャー(暴露)療法という一種の行動療法があります。

確かにときには有効な療法ではあるものの、心身に過度な負担がかかることもあり、弊害も指摘されています。

 

カウンセリングの基本は、クライアントが自らの悩みや問題を言葉にして語り、それをカウンセラーが傾聴し、共感するということです。

しかしながら、それだけでは重篤なトラウマを癒すことは難しいです。

心理相談室セラペイアでは、FAP(Free From Anxiety Program不安からの解放のプログラム)というトラウマ治療に特化したセラピーを行っております。

FAPは無理に苦しい体験を告白しなくとも、トラウマ治療に卓効のある心理的技法です。

また、心の問題は体の状態とも密接に関係しますので、食事や生活習慣の改善なども含めて、多角的にPTSDの改善のためのサポートをさせて頂きます。

 

パニック障害にもFAP療法は効果的です。
こちらの記事では、パニック障害について解説していますのであわせてご覧ください。

参考記事:パニック障害とは? 治療はカウンセリング?

 

カウンセリングを受けることでトラウマと向き合うためのヒントがわかる

今回は、トラウマの概要とともに、トラウマのカウンセリング治療に関する内容をお伝えしました。

トラウマは、一度抱えてしまうと長期間に渡って日常生活に支障を及ぼすことが多いです。

 

体と心は密接に関係しているため、心に元気がないと、体調を崩してしまう方もいらっしゃいます。

我慢をせずに専門家に相談をしましょう。

カウンセリングを受けることで、トラウマによる心理的、生理的な症状を解決することは十分に可能なのです。

そればかりか、辛かったトラウマ体験をこれからの人生のスパイスとして、むしろ生かしてプラスに変えていくヒントも得られるのです。

 

もし現在、トラウマでお悩みであれば、心理相談室セラペイアまでご相談ください。

現代の脳医学と東洋医学を応用した独自のFAPカウンセリングで、あなたの辛い気持ちを解放に導きます。

大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!

 

  • スターピープル48号掲載記事
  • 川崎麻世さんとの対談
  • チベット紀行
  • FAPについての論文・学会発表