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カウンセリングとは?目的や効果、受ける際のポイントを解説

「カウンセリングとは? その目的は?」
「カウンセリングとセラピーの違いは?」
「カウンセリングを受ける際に心掛けるとよいポイントを知りたい」
このように気になる方も多いのではないでしょうか。
実際、カウンセリングを「ただ話を聞いてもらうだけ」と誤解している方もたびたび見受けられます。

本記事では、カウンセリングの基礎知識に関して、網羅的に解説していきます。
カウンセリングにご興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

カウンセリングとは

カウンセリングとは、「言話的及び非言語的コミュニケーションを通して、比較的健康度の高いクライエントを対象に、問題解決や人間的成長及び健康の促進を目的に行われる心理的援助活動」と定義されています。
カウンセリングの語源はラテン語・古代フランス語の「相談する」から来ています。
そのため、カウンセリングは一般用語としては広く「相談活動」を指しますが、狭義には専門家による心理的援助活動の総称として用いられます。
本記事における「カウンセリング」は狭義の意味です。

カウンセリングでは、カウンセリングを行う人を「カウンセラー」といい、カウンセリングを受ける人を「クライエント(またはカウンセリー)」といいます。
カウンセリングに似た概念として「心理療法」や「精神療法」があります。これらは特定の理論や技法に基づいた学派を基底とした心理的援助活動であり「カウンセリングに比べてより病理性の高い人を対象とする」という点で、専門的には区別される場合もあります。
とはいえ、現代の日本社会においてこれらは、一般に混同して用いられることが多いのです。

カウンセリングの目的

カウンセリングはその時のクライエントが抱えている悩み、問題、テーマなどに即して行われます。
ですから、カウンセリングの目的もまた実に多様なものになります。
もっとも、おおよその共通項はあるものです。
以下に主な3つの目的についてみていきましよう。

クライエントの気持ちの整理・受容

まず、カウンセリングではクライエントが自らの気持ちを整理するために行われます。
カウンセラーが受容的な態度で接することで、クライエントは安心して抱えている悩みや感情を言葉にすることできます。
混乱していた心情を落ち着いて客観的に見つめ直すことができるのです。
さらに、自分の心を見つめる作業の中で、クライエントは自身の隠れた感情にも気付き、自己内省が深まっていくのです。

クライエントの問題解決の手助け

さらに、カウンセリングは問題解決の手助けをするという目的をもちます。
クライエントとカウンセラーが対話を通じて、問題の原因や背後にある要素を明らかにし、ともに解決策を見つけ出します。

もっとも、クライエントがカウンセラーに依存的になってはいけません。
カウンセラーは助言・援助をしつつ、クライエント自身の主体性を引き出すように導いていきます。
クライエントの側に立ちながら共感・サポートすることで、クライエント自身が問題に向き合い、解決する判断力やストレス耐性(心の免疫力)を養っていくのがカウンセリングの基本なのです。

クライエントの自己成長の促進

カウンセリングを通して、クライエントは自らの問題と向き合い、理解し対処していくプロセスの中で自己成長が促進されます。
さらに新たな問題が生じても、以前のように動揺することなく冷静に対処する力が養われていくのです。
ストレスに対する抵抗力(ストレス耐性)、心の免疫力が強まっていきますと周囲の状況には左右されずに主体的に行動することができるようになっていきます。
そのような自分の変化を体感することで自己肯定感、自己効力感が高まっていき、さらに将来に向けてのビジョンや目標、生きがいといったものに目を向けていくことができるのです。

クライエントの治療・医療機関との連携

カウンセラーは、クライエントがカウンセリングだけでは対応できない病状にあると判断した場合、心療内科などの適切な医療機関の診察を提案したり医師の紹介を行ったりします。
パニック障害、不安障害には薬物療法が有効なことも多いものです。
さらにイライラや動悸、鬱症状などの背景には精神的なストレスのみならず重篤な肉体的疾患が隠れていることもあるのです。
カウンセラーは広い視野でクライエントという人間存在を感じつつ、信頼関係を築きながらカウンセリングを進めていくのです。

カウンセリングとセラピーの違い

カウンセリングという言葉は、元々「相談する」というラテン語起源の言葉で、19世紀末に工業化が進んだボストンで健常者である学生に対する進路相談において使われ始めたものです。
カウンセリングでは相談者の主体性を重んじ自ら解決策を見つけることを重要視します。

それに対して、セラピーは「療法」「治療」と訳され、サイコセラピーは「心理療法」となります。セラピーは、セラピストの指導やアドバイスによって解決しようということで、治療者と患者といったある程度の上下関係も含むものとして使われることもあります。しかしながら、セラピーという言葉は、ギリシア語起源で「癒し」「治療」とともに「看病」「奉仕」といった意味があり、むしろクライエントの方を重んじるニュアンスをもつのです。
近年は、カウンセリングと(サイコ)セラピーはあまり区別されず、混同されて使われることが多いのです。

カウンセリングの効果

ここからは、カウンセリングの効果を見ていきましょう。
主な効果としては、以下の3つが挙げられます。

  • 問題を整理できる
  • 人生の方向性をみいだすことができる
  • 対人関係がよくなる

先に述べたカウンセリングの目的でも触れたことですが、改めてカウンセリングの効果についてそれぞれ解説していきます。

問題を整理できる

カウンセラーとの対話を通じて、自分の悩みやテーマを言語化し、客観的に見ることができるでしょう。
秘密厳守のもとで行われるカウンセリングの中では、安心して自らの心にあるものを言葉にすることだけで心が軽くなることが多いものです。
心の内省作業のプロセスによって、さらに今まで意識化できなかった感情が明確になることがあります。

さらに、カウンセラーの助言や質問によって、新たな視点や気づきを得ることもあります。
問題を全体的に俯瞰し、同時にそれぞれの側面を一つ一つ整理することで、自分の思考や感情に向き合い、解決策を見つけやすくなるでしょう。

人生の方向性をみいだすことができる

カウンセリングでは、気持ちや考えだけではなく、自分自身の生活環境や生い立ちについても話し、人生全般を整理する機会が得られます。
これにより、今まで複雑に思えていた問題の全体像とその本質を理解しやすくなるでしょう。

同時に、自分はどう生きたらいいのか、自分が本当にやりたいことは何か、といった未来のことについても目が向いていきます。
過去に遡る精神分析的なアプローチ以上に、未来に向けた認知行動的なアプローチがカウンセリングの中で有効なものとなっていくのです。

対人関係が良くなる

心の問題は個人の問題にみえても何らかのかたちで必ず対人関係が関与しているものであり、その原型は、家族、特に両親とのかかわりの中で形成されるものです。
カウンセリングのインテーク(初回面談)では、当人の生い立ちや家族関係をお伺いするのが一般的です。
カウンセリングを通して、幼少期からの家族関係でのトラウマに光が当てられると、職場や学校などの対人関係にも良き変化がでてくるものなのです。
カウンセリングの目的は、主体性とともに人との協調性、社会性を養うことでもあります。

カウンセリングを受ける際に心掛けるとよいポイント

最後に、カウンセリングを受ける際に心掛けるとよいポイントを2つ紹介して終わります。

  • カウンセリングの目的を明確にする
  • 不快な感情と直面することもある
  • カウンセリングとは全人的(ホリスティック)な気付きを得るためのもの

それぞれ解説していきます。

カウンセリングの目的を明確にする

先に述べたとおり、カウンセリングは「問題解決や人間的成長及び健康の促進を目的に行われる心理的援助」です。
喫茶店で友達とおしゃべりすることではありません。
カウンセリングは自らのテーマを明確にしてから行われるものであり、客観的な行動変容を目指すものです。
体調不良や遠隔地の場合などは電話やSNSを使ったカウンセリングも可能ですが、基本的には相談室で決まった時間に定期的に行うことでより効果が出やすくなるものなのです。
カウンセリングの間隔については、カウンセラーと相談のうえで決めるのが良いでしょう。
週一回、月二回…一年に一回でも定期的に受けることで以前の自分との違いに気付けることが多いものです。

不快な感情と直面することもある

長年の根深い問題を解決するには、それ相応の時間を要します。
なんとか早く問題から脱出したいと思うのは当然のことですが、焦りの感情から混乱状態に陥り、かえって問題がこじれてしまうこともあります。
カウンセラーはクライエントが無理なく自然に感情表出できるように導いてくれます。
そして、心を浄化するプロセスの中では、一度は解決できたように思えたとしても、さらに別の問題が表面化したりします。
自分では意識したくないようなネガティブな感情が顕在化してそれと直面することもあるのです。
イライラ、モヤモヤ、鬱などの不快な状況も回復のプロセスの一環としてときには必要なものなのです。

カウンセリングとは全人的(ホリスティック)な気付きを得るためのもの

今回は、カウンセリングの基礎知識について解説してきました。
カウンセリングは、まず自身の悩みや問題を整理し、理解するためのものです。
そして、カウンセラーのサポートを受けつつ、問題解決の道を見つけ、これからの人生の方向性のヒントを得るものでもあります。

カウンセリングの中では、当人の表面意識のある問題を通して、家族関係、社会的なつながり、さらに無意識的な世界にもアプローチしていきます。
自分という存在をより広く深い視点から見つめていくのです。
そして、カウンセリングにより内面が変化することで、社会生活の中で客観的な行動変容も起きてきます。
そのようなプロセスの中で、自分という存在が、心と体、意識と無意識、個人と社会を包括したものであり、全人的(ホリスティック)なものであるという気づきが得られます。

心理相談室セラペイアでは、自分を見つめなおすための分析や、さまざまな心のお悩みを改善させるためのカウンセリングを行っています。
大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!

 

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